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秋季特別展示「アジアのやきもの―中国と周辺国々の陶磁器」

 紀元前から高度な陶磁器文化をもつ中国は、土器、陶器、b器、磁器にいたるまでの発展過程の中でも、常に世界をリードしてきました。そして、朝鮮、ベトナム、タイ、カンボジア、ミャンマー、フィリピン、日本などアジア各国に展開した陶磁器文化は、中国陶磁の影響を強く受けてきました。
 例えば高麗青磁で知られる朝鮮のやきものは中国の宋の時代の青磁を学んで作られ、宋青磁をしのぐともいわれています。また、タイでは13世紀末から14世紀にかけて、当時のスコータイ王朝が中国の元朝との交流を重ね、鉄絵や青磁作品の生産を盛んに行い、各国に輸出しました。安南(あんなん)陶磁とも呼ばれるベトナムのやきものは、中国の後漢時代の灰釉(かいゆう)陶磁を初め、15世紀頃には元から明朝初期の中国の青花(染付)を模したものがさかんに焼かれました。
 この展覧会では、中国と周辺各国の陶磁器約180点を展示し、その造形や色、技術などに見られる影響関係を探るとともに、各国の陶磁文化の独自性についても紹介します。

会期/平成29年(2017年)10月21日(土)〜12月24日(
会場/展示室B・C・A上・企画展示室
主催/姫路市書写の里・美術工芸館、神戸新聞社
後援/サンテレビジョン、ラジオ関西
企画/公益財団法人 姫路市文化国際交流財団

11月18日(土)・19日()は「関西文化の日」に協賛し、入館無料です。


主な出品作品

1. 中国のやきもの(新石器時代〜明時代/BC4800〜17世紀) 約70点
2. 朝鮮のやきもの(三国時代〜李朝時代/4〜16世紀) 約30点 
3. タイのやきもの(BC3600〜16世紀) 約50点          
4. ベトナムのやきもの(1〜16世紀) 約20点        
5. その他アジアのやきもの(うち日本6点) 約10点            


(1)黒陶双耳壺(こくとうそうじこ)/中国・前漢(BC206-AD8) /高17cm・幅19・奥行19
黒陶双耳壺
 黒陶とは炭素を吸着させ表面が黒色の土器で、中国の新石器時代に出現するやきものです。発見された山東省の遺跡のある地名にちなんで、この土器によって代表される文化を龍山文化(BC3000〜BC2000年頃)と呼ばれています。黒陶は山東省以外でも広範囲で見られ、作品は牛眼形と言われる渦文が施され、四川省理蕃県の漢墓からしか出土しないタイプのものと言われています。その内外面とも黒色で、表面は研磨され、ロクロ使用のあとが残る黒陶は、副葬品として埋葬するための明器(めいき)や祭器など特殊な用途で作られたのではないかと言われています。


(2)三彩武人俑(さんさいぶじんよう)/中国・唐(AD618-907)/高46cm・幅15・奥行15
三彩武人俑
 三彩は鉛や銅、鉄などの金属の釉薬を使い、酸化の炎色反応を用いて彩色されるやきもので、緑・黄色または茶色の二色と、もとの土の白色を加えた三色などが見られ、三彩と呼ばれています。特に唐の時代につくられた唐三彩はシルクロードを通って西アジアやヨーロッパにも伝わりました。日本では奈良時代に遣唐使らが唐三彩の知識を持ち帰り、奈良三彩が作られたとされています。
 その作品は武将や貴婦人などの人物、ラクダや馬などの動物、壺や皿などがあり、主には副葬品として王侯貴族などの墓へ埋葬するために作られました。色の鮮やかなやきものは死後の世界を彩る役割を担っていたとされています。


(3)青磁水注(せいじすいちゅう)/朝鮮・高麗(12c) /高21cm・幅30
青磁水注
 高麗青磁は10世紀末から作られ最盛期は 12〜14世紀で、青磁を焼いた窯は朝鮮各地に散在します。中国の宋時代の青磁を学んで制作されましたが宋青磁をしのぐ作品も多く、これらはカワセミの色に例えられ翡色(ひしょく)青磁と呼ばれています。
 作品の水注は酒をいれる容器で、承盤(しょうばん)という碗に入れて湯で温めるもので、中国では北宋期から流行しています。または茶を点てる湯を注いだも容器の可能性もあります。


(4)鉄絵飛鳥文盤(てつえひちょうもんばん)/タイ・カロン窯・15c/高5cm・幅21
鉄絵飛鳥文盤
 13世紀のスコータイ王朝の成立により、その王都スコータイ(スコータイ窯)と副都のシーサッチャナーライ(サワンカローク窯)では、中国の元と交流を重ね、鉄絵や青磁作品の生産が盛んに行われ輸出されました。特にサワンカローク窯のやきものは日本にも伝来し、宋胡禄(すんころく)と呼ばれ、江戸時代には茶人好みの器として愛好されました。
 カロン窯は、チェンマイから北東に約80kmのタイ北部のチェンライ県にあり、ランナー・タイというタイ北方王朝の窯の代表的なもので、サワンカローク窯に並び、タイの陶磁史を知る上で重要な窯です。その特徴は、やきものの器体が薄く、ロクロ挽きで高台も丁寧に削られていることです。飛ぶ鳥のような文様を鉄絵で表していますが、何を意味する文様であるかはよく分かっていません。


(5)青花雲気文瓶(せいかうんきもんへい)/ベトナム・14-15c/高25cm・幅12・奥行12
青花雲気文瓶
 ベトナムの陶磁器は安南(あんなん)と呼ばれ、日本でも安南焼として江戸時代には茶人に愛用されるようになりました。ベトナムの青花(染付)の歴史は古く14世紀には始まっていますが、中国の影響を強く受けました。
 作品は玉壷春(ぎょっこしゅん)と呼ばれる下蕪(しもかぶら)形の瓶で、青い空と白い雲を表現するため、雲気文(うんきもん)を白抜きで描いています。雲気文は中国では戦国・漢時代にみられる文様です。鮮やかな青の発色には上質のコバルトが使われ、それをふんだんに使用したこの瓶は献上等の特別品であったと思われます。


会期中のイベント

(1) 講演会「アジアの古陶磁」及び展示解説会

・日時/10月29日(  13:00〜14:30
・講師/島津法樹氏(古陶磁研究家)
・場所/当館会議室(定員40人)
・備考/当日先着順(12:00から整理券を配布)、講演会は無料ですが、終了後の展示解説会は入館料が必要です。

(2)展示解説会

・日時/11月18日(土)・25日(土)・12月9日(土) 13:30〜14:30 
・講師/当館学芸員(但し11月18日(土)は島津法樹氏(古陶磁研究家))
・場所/展示会場
・備考/当日会場にお越しください。入館料が必要です。(但し11月18日(土)は「関西文化の日」に協賛し入館無料です。)

(3)書写の里ギャラリーコンサート「和楽器で楽しむ音楽」

・日時/11月19日()  13:30〜14:30
・内容/展示会場の一角でのミニコンサート。
・出演/都山流尺八姫路都姫和会、菊保会
・場所/展示室A通路
・備考/当日どなたでも無料でご覧いただけます。

(4)書写の里ギャラリーコンサート「オカリナとピアノで奏でる音楽」

・日時/11月23日(木・祝)  13:30〜14:30
・内容/展示会場の一角でのミニコンサート。美術工芸品を鑑賞しながら、オカリナとピアノによる懐かしの音楽を楽しむ。
・出演/ 高山真純(オカリナ)・岡本由加子(ピアノ)
・場所/展示室A通路
・備考/コンサートは当日どなたでもご覧いただけますが、入館料が必要です。


展覧会チラシ A4おもて裏(PDF形式 3,021KB)


姫路市書写の里・美術工芸館
〒671-2201 姫路市書写1223番地  [ 地図 ]
電話 079-267-0301 ファックス 079-267-0304

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