姫路市立総合教育センター紀要(2024年度)
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- ID:30195

教育実践研究助成報告

姫路市立山陽中学校

研究テーマ
知的好奇心を駆りたてる、対話のある授業実践に向けて
教科指導において、求められる生徒の力を育むためのFTの効果的な活用について

テーマ設定の理由
本校は姫路の中心部に位置し、生徒が1000人以上在籍する大規模校である。部活動が盛んで元気な挨拶が飛び交う一方、学校アンケートからは自尊感情が低い実態が見られた。平成30年度当初、キャリア教育アンケートで自己分析をすると、自己理解・自己管理能力と課題対応能力の到達度が低い結果であった。そのため、自分のことを正しく理解し課題に向けて解決していく能力をつけることで、自尊感情の高揚につながると考えた。
そこで、「授業力向上プラン推進校」としてキャリア教育を中心に研修をすすめ、授業の流れを示した「山陽スタンダード」を学校全体で共有し取り組んだ。「めあて」「振り返り」を徹底し、対話活動での話し方や質問の仕方、あいづちについても提示した。
総合的な学習の時間では、PowerPointを使って「聞き方・伝え方」を練習し、生徒は教科学習を中心とした話し合いで、教師は授業だけでなく生徒指導も含めた生活全般でも使えるように取組をスタートした。また、コロナウイルス感染症対策等の理由から取り止めていた弁論大会も全学年で復活させ、今までの伝える力の向上から、聞いた内容を自身で簡潔にまとめることで、聞く力の向上にも繋がった。
それでも、生徒が日常の授業の中で、主体的に興味をもって課題に取り組める学習スタイルが定着するまでには至らなかった。そのため、教師から生徒への受動的な一方通行の授業スタイルではなく、もっと生徒同士の関係を密にし、そこから学びを得るような能動的な学習活動が当たり前になることを目指して、授業の中でファシリテーション(FT)の導入を考えた。

姫路市立船場小学校

研究テーマ
夢中になれる体育学習
AARサイクルを通した「めっちゃおもろい体育学習」の授業作り

テーマ設定の理由
新型コロナウイルス感染症の広がりは、世界の社会の仕組みや人の価値観を変えた。まさしく激動の3年間であった。そして子供たちが生きる未来においても、さまざまな社会変化が起きることが予想される。学校現場では、子供たちに、このような社会を「生きぬく力」を身につけさせなければならない。
サブテーマにあるAARサイクルとは「Anticipation(見通し)・Action(行動)・Reflection(振り返り)」を意識した学習であり、『とにかくやってみる』から始まる学びのプロセスである。何が起こるか分からない状況では、今までの経験が役に立たないこともある。そんな時に、AARサイクルを生かすことで問題に対応することができる。
体育は、仲間と交流したり試行錯誤したりしながら課題を解決する教科である。AARサイクルを意識した体育の授業作りをすることで、児童は主体的に取り組み、仲間と共に伸びを体感し、結果的に体育学習に夢中になることができると考え、本テーマを設定した。

研究協力校報告

姫路市立神南中学校

研究テーマ
個々に「ゆだねる」ICT活用の研究
学校生活の効率化と生徒の主体性の育成に向けて

取組の背景
本校は生徒数179名、教職員数20名、各クラスは30名程度(特別支援学級は6名)であり、「なりたい自分を見つけ 主体的に学び続ける生徒の育成」を学校教育目標として掲げている。
生徒に1人1台の学習者用端末(以下、端末)が配付されて以来、本校では、「まずは生徒に使わせてみる、指導はその都度」を合言葉に、生徒が日常的に端末を机上に置いて、個々のタイミングで使用することが当たり前になることを目指してきた。
令和5年度に研究協力校に指定されたことをきっかけに、本校が重点目標に掲げる「個別最適な学びと協働的な学びの推奨」に向けて、ICTをどう活用していけばよいかについての協議を始めた。
現在は、姫路市教育委員会の指導主事や、週3日派遣されるICT支援員のサポートを受けながら、全職員で「学校生活の効率化と生徒の主体性の育成に向けて」をテーマに協議し、取組を進めている。