姫路市立総合教育センター紀要
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- ID:30195

2025年度教育実践研究助成報告
姫路市立四郷学院
研究テーマ
どの子も学びの土俵に上げ、できる実感をもたせる授業づくり
テーマ設定の理由
姫路市立四郷学院は、平成31年4月に開校した施設分離型義務教育学校である。前期課程(1から6年生)には約280人の児童、後期課程(7から9年生)には約160人の生徒が在籍している。古墳や瓦産業、皮革産業など1500年を超える歴史をもつ地域に支えられる学校であり、近年は外国にルーツをもつなど多様な背景の児童生徒の割合が高くなっている。
本校では、今回の教育実践研究助成を受ける以前から「すべての子供たちを学びの土俵に乗せ、確かな学力をつける授業」について研修を重ねてきた。今回の研究では、令和5年度は「四郷版対話を生かした授業づくり」、令和6年度は「どの子にも書ける実感をもたせる授業づくり(小学校国語科)」に焦点を当てた研究を行い、令和7年度はその研究成果が本校における授業づくりの標準スタイルとして定着するよう校内研修を重ねた。
四郷学院で学ぶすべての子供たちが自信をもって主体的に学習に向き合えるように、そして、教師が子供たちに確かな学力をつけられる授業づくりに関する知見を深め、それを実践する授業力を向上させられるように取り組んできた3年間の研究を紹介する。
姫路市立豊富小中学校
研究テーマ
探究的な学びを拓く情報活用能力の育成
情報活用能力ベーシックで支える9年間の学び
テーマ設定の理由
本校は、令和2年度に姫路市で3番目の義務教育学校として開校した。GIGAスクール構想を受け、開校当初から、本校ではICTの日常的な活用を目指して取組を行ってきた。まずは授業をはじめとするさまざまな場面で使ってみることから始め、試行錯誤を繰り返しながら、学習の中で、特に思考を活性化する効果的な活用の仕方を探っていった。取組の結果、ほとんどの児童生徒が情報機器の操作スキルを獲得したのみならず、必要に応じて必要な機能を活用して学習したり、自分が得た情報を進んで共有したり学習に活用したりする姿が見られるようになった。ICTの日常的な活用が浸透してきた中で、探究的な学習の過程で児童生徒が自ら問いを立てたり課題を解決したりするためのICTの活用を模索するとともに、義務教育9年間を通して生きて働く資質・能力を育成するための教育課程の改善や授業改善を行うことが課題として挙げられた。
そこで、本校では、「情報活用能力ベーシック」にもとづく学習の開発に取り組むことにした。「情報活用能力ベーシック」とは、学習の基盤となる資質能力の一つである情報活用能力を体系的に育成するために、一般財団法人日本教育情報化振興会が学習指導要領をもとに作成した学習のプロセスである。具体的には、学習過程を「(1)課題の設定」「(2)情報の収集」「(3)整理・分析」「(4)まとめ・表現」「(5)振り返り・改善」の5つのプロセスに整理し、それぞれのプロセスにおいて子どもたちが主体的に活動を行うことで、すべての教科で横断的に学習の基礎となる情報活用能力を育成することを目的としている。
本校では、この「情報活用能力ベーシック」を全学年、全教科で活用し、子ども主体の探究的な学習を展開することで、情報活用能力を身に付け自ら学びに向かう自律した学習者を育成したいと考え、本テーマおよびサブテーマを設定した。
姫路市立青山幼稚園
研究テーマ
多様な体験を通して、人と関わる力を育む
豊かな自己表現で、自分の思いも友達の思いも大切にし合える関係を育む教師の援助
テーマ設定の理由
幼稚園教育において育みたい資質・能力として、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」があげられている。
幼児個々の資質・能力を育むために、幼児の興味・関心を十分に把握し、幼児が主体的に「ひと・もの・こと」に関わる環境を整えることが大切であると考える。その中でも、人と関わる力を育むことを重視したい。
本園の幼児は、家庭で大切にされ温かく見守られながら成長しているため、自分の好きなもの、やりたいことに興味・関心をもち、自ら関わり取り組もうとする姿が見られる。一方、家庭では自己主張をしなくても、家族が自分の思いに気付くことも多いため、園では自分の思いを伝えようとする姿があまり見られず、思いが伝わらないもどかしさを感じている。また、少人数の学級のため友達と異なる思いを出し合ったり、切磋琢磨したりする機会が少ない。
多様な体験を通して、幼児の心が動き、湧き出た自然な思いが豊かな自己表現(目線、表情、身振り、言葉)につながるのではないかと考えた。幼児が人との関わりの中で自分の思いを伝え、友達の思いも受け入れられるために、人との関わりにつながる教師の援助と環境構成について研究を進めることにし、テーマを設定した。
2025年度教育研究員紀要
教師力アップデート班
研究テーマ
既存の枠組みを活かした「探究的な学び」の実装
子どもの興味・関心に応じた「課題設定」を目指して
研究の概要
本研究の目的は、学習者の主体性を育む「探究的な学び」の充実を図るために、子どもの興味・関心に応じた「課題設定」へのアプローチを検討、実践することである。
現行の学習指導要領では、「探究的な学び」の充実が求められているが、姫路市内の小中学校からは、「探究学習を『新たな教育活動の構築』と捉えることによる教師の心理的負担」や「児童生徒自らが問いや課題を見出すことの難しさ」が問題点としてあげられた。そこで本研究では、安室小学校、置塩中学校、花田中学校の3校において、既存の枠組みを活用しながら「課題設定」に着目し、それぞれの実態に応じて実践を行った。
本研究の成果は、子どもの興味・関心に応じた「課題設定」を可能とする実効性の高いアプローチを検討し、実践できたことである。また、各校の「既存の枠組み」の活用が「探究的な学び」を日常的な教育実践として継続・定着させるための有効な手立てであることも実証された。その一方で、「課題設定」の自由度を高めるための指導方略やカリキュラムの見直しと、姫路市内すべての学校における「探究的な学び」の充実が課題である。今後は、さらに実践を積み重ねながら、本研究の成果を広く情報発信し、姫路市における「探究的な学び」のさらなる推進につなげていきたい。
過去の紀要
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