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姫路市立林田中学校

HAYASHIDA JUNIOR HIGH SCHOOL

〒679-4206 姫路市林田町林田33番地 地図

電話番号:079-261-2013

学校通信(令和4年11月)

  • 公開日:2022年11月16日
  • 更新日:2022年11月16日
  • ID:16635

経済的に恵まれているあなた方は、世界の中では、少数派です

本校は、国際理解教育の一環として、20年以上前からインドのストリートチルドレンとの交流を続けています。このたび、その生徒たちが学んでいるCalcutta Social Project(以下CSP)が創立50周年を迎える、とNPO法人レインドロップ代表の北 鳳満(きた ほうまん)さん(本校担当の写真店主)から聞きました。北さんの話によると、新型コロナウイルスが全世界で流行しているので、インドからCSPの生徒は来日できていませんが、2002年から合計7回も本校を訪問しているらしいです。そして、第20代校長の森岡 英男先生は、2回もCSPを訪問されたとのことです。

毎年、この時期(本年度は11月29日)に北さんからインドのストリートチルドレンの話を聞かせていただき、現地とのオンライン交流会を実施しています。交流会の前に彼らの日常生活やCSPの活動について、映像を通して学習したうえで、北さんの話を聞いています。そして、自分たちが当たり前のように学校に通って勉強している状況とは全く違った世界があることを、本校生は初めて知ることになります。北さんは、長年にわたってCSPを支援し、他の学校でも何回も講演されていますが、日本の生徒に対して、「経済的に恵まれているあなた方は、世界の中では、少数派です」と毎回話されます。

「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」という本によると、人類の約75%にあたる人々が中所得国に住んでいるそうです。ちなみに世界人口を70億人とした場合、4つの所得レベル別の人口はおおよそ次のようになるそうです。1日にかせぐお金(ドル換算)をもとに、レベル1(2ドル以下)約10億人、レベル2(2ドルから8ドル)約30億人、レベル3(8ドルから32ドル)約20億人、レベル4(32ドル以上)約10億人。大部分は真ん中のレベル、つまりレベル2とレベル3で暮らしていて、生きるうえで最低限度必要なものは足りているということです。

このように4つの所得レベルで分類すると、国が違っても所得の同じ人たちの間には、驚くほどの共通点があるようです。水の調達を一つの例にしてみると、レベル1の暮らしでは、水を手に入れるために毎日何時間もの時間を費やし、ようやく手に入れた水も衛生状態が悪く、飲むと病気になるかもしれません。レベル2では、きれいな水を手に入れることはできますが、遠くまで水くみに出かけなければならず、毎日水くみに何時間もかかる場合があります。レベル3になると、自宅や自宅近くにきれいな水が届く場所があります。レベル4になれば、自宅できれいな水を異なる用途(飲料、掃除、温水など)に使えます。

私たちは、ほとんどレベル4に属しているのかもしれません。そして、日本では、インドのように同じ国でも所得が違いによりそれぞれの暮らしぶりがまったく違う、ということはあまり感じません。教育についても、小学校と中学校の9年間は、教育を受ける権利が保障されています。北さんの言われるように、世界の中でも、本当に少数派の経済的に恵まれた生活スタイルで義務教育を受けられていることに私たちは目を向けることが時には必要です。

また、この本によると、200年前には、世界の80%の人々はレベル1にいて、極度の貧困の中に暮らしていましたが、現在は極度の貧困にある人の割合は9%になっているそうです。所得レベルをアップし、暮らしを豊かにするためには、子どもたちへの教育が必要不可欠なのは言うまでもありません。50年間にわたるCSPのストリートチルドレンへの支援や北さんの活動の意義を理解するとともに、それぞれ業績に心より敬意を表します。

そして、この交流会を通して、CSPの生徒達が、それぞれの置かれた厳しい境遇のなかで学習できることに感謝と喜びを感じていることが本校生の心に強く響き、自己の学習への取組方によい影響を及ぼすことを期待します。

定款に記載された目的

この法人は、路上やスラムで暮らし保護と支援を必要とするインドのストリートチルドレンに対する教育支援と、日本の子ども達に対する異文化交流の機会提供の活動を行い、子ども達と共に、慈の心を育み、共生への知恵を深め、自国の文化に誇りと寛容の精神を持って他国の文化を包摂し、相互の福祉に基づく国際関係を構築しうる人材の育成に寄与することを目的とする。