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Vol.5 フリーアナウンサー / 藤井涼さん

  • 更新日:
  • ID:32073

姫路の魅力を電波にのせて発信。声と映像で人とまちを繋ぐアナウンサー

藤井涼さん写真1枚目

FMゲンキの放送局で出迎えてくれたのは、明るく華やかな雰囲気をまとった一人の女性。彼女こそ、同局のパーソナリティ藤井涼さんです。フリーアナウンサーとしてイベントや式典の司会を務める一方で、コロナ禍以降は姫路を拠点に動画クリエイターやグルメリポーターとしても活躍。地域の人や企業と繋がり、アイデアを形にしていくことに大きな喜びを感じているという藤井さんの、パワフルでクリエイティブな素顔に迫りました。

藤井 涼(ふじい りょう)さん

姫路市在住。大学卒業と同時にフリーアナウンサーとしての道を歩み始める。大手企業の式典やブライダル司会は1,000本を超え、その活躍は姫路にとどまらず全国に及ぶ。現在は姫路のラジオ局「FMゲンキ」で火曜レギュラーパーソナリティを務めるほか、動画クリエイターや、姫路ケーブルテレビ「Wink」では人気番組「三つ星を探して」に出演し、グルメリポーターとしても活動。明るく親しみやすい語り口でリスナーや視聴者から厚い支持を集め、地域に根差した情報をSNSでも積極的に発信し、若い世代からも注目を集めている。

声や言葉で繋がる喜び

藤井涼さん写真2枚目

フリーアナウンサーとして数多くのイベントや式典の司会を務め、姫路のローカルラジオ局・FMゲンキでは、開局当時からレギュラーパーソナリティを続けている藤井涼さん。明るい性格と親しみやすい声で、多くの人に元気やパワー、時には感動を届けています。

「声」を仕事に選んだ原点は、小学校時代までさかのぼります。「もともと子どものころから読書が好きでした。国語の時間の音読も大好きで、『朗読してくれる人!』と先生に言われると、率先して手を挙げていました」。そんな幼い頃の“好き”が、そのまま大学卒業後の進路へとつながり、アナウンサーの道を歩み始めます。フリーという働き方を選んだのも、自分らしく働けるスタイルだったから。「毎日同じことの繰り返しではなく、常に新しい場所で、新しいことにチャレンジしたかったんです」と当時を振り返ります。

現在は、声を使った表現やコミュニケーションの講座も開き、声や言葉を通じて“人と繋がる大切さ”を伝える活動にも力を注いでいます。

藤井涼さん写真3枚目

ラジオの現場と聞くと入念に打ち合わせが重ねられ、緊張感に包まれているイメージがありますが、藤井さんは事前の打ち合わせはほとんどせず、そのまま本番に入るスタイル。フリートークもお手のものです。「スピリチュアルな表現を借りれば、『言葉が降りてくる』とでも言うのでしょうか」と藤井さんは語ります。現場は彼女にとって、水を得た魚のようにスイッチが入る場所。その日その時に感じた“リアル”を伝えることこそ、生放送の醍醐味だといいます。

おいしいお店に必ずある共通点とは⁈

中村利紗さん写真4枚目

食通としても知られる藤井さん。姫路ケーブルテレビ「Wink」では、地元のおいしいお店を紹介する人気番組「三つ星を探して」のグルメリポーターとしても活躍しています。仕事を離れたプライベートのシーンでも、姫路はもちろん旅先で数々のお店を巡り、日々新しい味に出会ってきました。おすすめしたいと思った店は、自身の目線で撮影した動画とともに、すぐに自身のInstagramにアップ。本当に伝えたいと思った情報をリアルタイムで発信しています。

いまや多くの人がSNSでお店を探す時代。そんな中、藤井さんのリサーチ方法は少し独特です。「車窓から見つけることもありますね。外観を見れば、その店主のこだわりが伝わってきます。どこまでお店造りにこだわっているかで、料理に向き合う姿勢も見えてきます」と藤井さん。数多くの料理と料理人を見てきたからこそ、その“働く勘”は本物。自身が発信するリール動画が、再生回数1万回を軽く超えるのも納得です。

コロナ禍を機に環境が一変。窮地を乗り越え会社設立

藤井涼さん写真5枚目

コロナ禍が世の中を一変させた2020年。イベントや結婚式は次々に自粛となり、アナウンサーとしての仕事もほぼゼロの状態に陥りました。

全く身動きが取れなかった当時、「止まっていてはいけない」「この状況に負けてはいけない」と葛藤の日々が続いたそう。何度も自分自身を奮い立たせ、出会ったのが動画制作という新たな表現の形でした。

その時基盤にあったのが、「地元を盛り上げたい」という思い。当時お世話になっていた結婚式場も同じくコロナ禍によって試練に直面しているのを目の当たりにした藤井さんは、一念発起。その結婚式場の公式YouTubeチャンネルの企画から撮影まで携わり、その立ち上げに尽力します。

藤井涼さん写真6枚目

その後2021年に、カメラマン・マーケッターとともに映像チーム「Catch up(キャッチアップ)」を設立し、現在は姫路の企業ブランディング動画を手がけるなど、活躍の場を広げています。

地域や地元企業の人、仲間たちと一緒にアイデアを出し合い、目には見えない“思い”を形にしていくこうした活動は、藤井さんにとって何にも代えがたい喜びだとはにかみます。自身について「私はもともと“人の役に立つ”ことに、震えるほど喜びを感じます」と話す藤井さん。動画制作という新たな道では、作り上げていく過程にやりがいがあり、完成後にいただく感謝の言葉や、その方の笑顔・涙に出会える瞬間こそが、“最高のご褒美”だと語ります。

ホームグラウンドとしての姫路

藤井涼さん写真7枚目

※写真はイメージです

東京や大阪、福岡など、全国を飛び回りながらも、拠点を姫路から動かさなかった藤井さん。都会ならではの利便性や魅力に惹かれることもありましたが、藤井さんにとって東京や大阪はあくまで“戦いの場所”。そこに住むという選択肢は、最初から考えなかったといいます。「姫路は海も山もあり、ほどよく便利。まちの規模も大きすぎず小さすぎず、暮らしやすいスケール感が魅力です。日常生活がスムーズに回るところも、お気に入りのポイントです」。

藤井さんにとって、そんな姫路は”ただの拠点”ではなく“帰ってくる場所”。帰って体を休められるホームグラウンドのような場所があるから、安心して仕事に取り組める―そんな環境のありがたさを日々実感しているそう。

魅力あふれる姫路のまちで

藤井涼さん写真8枚目

藤井さんがホームグラウンドに姫路を選んだ理由は、単なる利便性だけにあらず、まちの人の雰囲気や、挑戦を後押ししてくれる環境が整っていることも大きかったそうです。「ふとした瞬間に新しい発見や楽しさがある。それが私の活動を支えてくれていたんじゃないかと思います」と話す藤井さんは、姫路というまちを“挑戦する人を応援できるまち“だと感じ、その魅力や可能性をより多くの人に伝えています。

特に最近は、都会に負けないオシャレな新店が増え、このまちに新しい風を感じているとか。まち中で若い人たちの頑張る姿や、小さくても知恵とセンスを駆使しながら楽しそうに仕事をしている姿を見かける度に、その活気に励まされ挑戦する勇気をもらっているんだとか。

今後はさらに姫路の魅力を伝えながら、街や人、企業の魅力をもっと多くの人に知ってもらい、人との繋がりを深めることが目標だそう。「動画やSNSを通じて、姫路の“おもしろい”“素敵”な一面を発信し続けて、まちの活気やワクワクを生み出していきたい」と熱く語ります。

歩みを止めずに前に進み続ける藤井さん。「ぜひ自分の感性や勘を信じて、何より楽しみながら挑戦してほしいですね」と若い人たちへの期待を胸に、今日もまちの声に耳を傾けながら笑顔と声を届けています。

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