本来は秋から冬にかけて流行する傾向にありますが、市内の定点医療機関(13か所)からの感染性胃腸炎の報告が5月頃から増え始め、現在も高止まりした状況となっています。また、保育園等の施設からも、感染性胃腸炎の集団発生の報告があります。
手洗いの徹底や汚染物の適切な処理など、感染予防対策をとりましょう。
感染性胃腸炎は、細菌やウイルスなどの感染性病原体が原因で、主に嘔吐や下痢といった症状が出現する感染症です。ウイルス(ノロウイルス、ロタウイルスなど)が原因となることが多く、毎年秋から冬にかけて流行します。
感染性胃腸炎の原因となる感染性病原体にはこのようなものがあります。
ノロウイルスはヒトの小腸粘膜で増殖するウイルスで、感染性胃腸炎や食中毒をひきおこします。例年12月が流行のピークとなる傾向があります。ノロウイルスは感染力が非常に強く、少量のウイルスで感染しますので、感染予防対策には注意が必要です。
このページを参考にノロウイルスについて理解を深めていただき、適切な感染予防対策を実施してください。
潜伏期間は、24時間から48時間で、主な症状は、下痢、吐き気、おう吐、腹痛、発熱などです。
通常は、2日程度で症状が治まる比較的軽症の病気ですが、高齢者や乳児では、脱水症状などにより重症化することがあります。
現在、ノロウイルスに効果のある抗ウイルス薬はなく、通常は対症療法になります。
特に体力の弱い乳幼児や高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗しないように、水分や栄養の補給が大切です。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどが必要になります。
下痢止め薬は、腸内のウイルスの排出を妨げ、病気の回復を遅らせてしまうことがあるため、使わないようにしましょう。
便や嘔吐物が付着した汚染物(床や便器等)などの消毒には、0.1%の次亜塩素酸ナトリウム液が有効です。次亜塩素酸ナトリウム液は、市販の塩素系漂白剤で作ることができます。消毒薬は作り置きせず、その都度作るようにしましょう。
ノロウイルスは一般的なアルコールや逆性石けんによる消毒では効果がありません。塩素系消毒剤(漂白剤)を使用してください。
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