姫路市内の令和6年第22週(5月27日から6月2日)における手足口病の定点医療機関(市内13か所)あたりの報告数が5.31となり、警報レベル開始基準となる「5」を超えました。例年よりも早く患者数が増えていますので、感染対策をお願いします。
なお、兵庫県における第22週の定点医療機関あたりの報告数は5.71です。
1医療機関あたりの1週間の患者数が5人を超えると警報レベル、2人を下回ると警報レベル解除となります。
風邪のウイルスは200種類以上ありますが、この中で高温多湿を好むウイルスによる感染症は、初夏から患者数が増え始め、7から8月頃に流行のピークを迎えるため、特に「夏風邪」と呼ばれます。子どもがかかりやすい夏風邪には、「ヘルパンギーナ」、「手足口病」、「咽頭結膜熱」などがあります。これらは6歳以下までの乳幼児に多く、体調によってはまれに大人も感染することがあります。
「ヘルパンギーナ」「手足口病」はいずれも飛沫感染・接触感染です。「咽頭結膜熱」は接触感染です。日頃からのしっかりとした手洗い、症状がある場合のマスク着用等、感染防止対策を心がけてください。
一般的には軽症で、重症化することは稀ですが、1週間経っても熱が下がらない、ぐったりして呼びかけに対する反応が鈍い、意味不明な言動がみられるなどの症状が現れたときは、すぐに受診しましょう。
2日から4日の潜伏期のあと、突然の発熱に続いて咽頭痛が出現し、咽頭粘膜の発赤が見られます。口腔内に直径1ミリメートルから2ミリメートル 、大きいものでは5ミリメートルほどの小水疱が出現します。小水疱はやがて破れ、痛みのある浅い潰瘍ができます。発熱については2日から4日間程度で解熱し、それにやや遅れて粘膜疹も消失します。発熱時に熱性けいれんを伴うことや、口腔内の疼痛のため不機嫌、拒食、哺乳障害、それによる脱水症などを呈することがありますが、ほとんどは予後良好です。
感染してから3日から5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2ミリメートルから3ミリメートルの水疱性発疹が出ます。発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことがほとんどであり、高熱が続くことは通常はありません。ほとんどの方が、数日間のうちに治ります。しかし、まれに、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることがあります。また、手足口病の典型的な症状がみられずに重症になることもありますので、注意が必要です。なお、近年、コクサッキ―ウイルスA6感染により手足口病の症状が消失してから、1か月以内に、一時的に手足の爪の脱落を伴う症例も報告されていますが、自然に治るとされています。
5日から7日の潜伏期の後、発熱で発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、咽頭炎による咽頭痛、結膜炎にともなう結膜充血、眼痛、羞明、流涙、眼脂などの症状が出現し、3日から5日間程度持続します。眼症状は一般的に片方から始まり、その後他方にもみられるようになります。また、結膜の炎症は下眼瞼結膜に強く、上眼瞼結膜には弱いとされていて、眼に永続的な障害を残すことは通常ありません。また、頚部(特に後頚部のリンパ節)の腫脹と圧痛を認めることがあります。
プールでの接触やタオルの共用から集団感染を起こすことから、以前は「プール熱」と呼ばれていましたが、現在はプール以外の場所でも飛沫・接触により感染することが分かっており、プールでの感染は感染経路のひとつにしかすぎません。
飛沫感染には、マスクの着用が有効です。咳や咽頭痛などの呼吸器症状がある場合は、適切にマスクを着用しましょう。
未就学児のマスクの着用についてはご注意ください。
接触感染には、流水とせっけんによる手洗い、アルコールによる手指消毒が有効です。また、タオルなどの共有による感染も報告されています。タオルは個人専用のものを使いましょう。
咽頭結膜熱の予防としては、衛生を保つため、プールからあがったら、シャワーを浴び、うがいをしましょう。
夏風邪には特効薬などがないため、治療は症状に応じた対症療法になります。症状が治まるまでは、部屋を涼しくして安静にしましょう。
のどの痛みが強いときは、飲食を控えたくなります。特に乳幼児は、ヘルパンギーナや手足口病に感染すると口腔内に水ぶくれができ、飲食を嫌がることで、脱水症状により容態が急変することもあります。脱水症状を予防するために刺激の強いもの(酸味の強い物、熱い物等)を避け、何でもよいので口にしやすいものを摂取しましょう。
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