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令和8年2月10日市長記者会見【速報版】

  • 更新日:
  • ID:32728

会見事項

  1. 第38回和辻哲郎文化賞受賞作の発表について
  2. 「姫路市版 仙台防災枠組2015-2030中間評価報告書」について

報告事項

なし

市長会見内容

市政記者クラブの皆さん方には、衆議院選挙の取材で非常にお疲れのところ、本日ご出席をいただきまして、ありがとうございます。

さて、昨日皆さんにお披露目させていただいた、大阪・関西万博オーストリアパビリオンのベーゼンドルファー社製ピアノでございますが、市民の皆さんへのお披露目イベント「The 4 Pianos + 1 Special Edition(ザ・フォー・ピアノズ・プラス・ワン・スペシャル・エディション) -新ピアノお披露目公演-」を、2月22日にアクリエひめじで開催いたします。万博のオープニング・セレモニーでもこのピアノを演奏されたピアニストの久元祐子さんをお招きし、美しい音色を存分に堪能いただくとともに、姉妹城提携による国際交流の意義を感じていただく機会になればと考えております。記者の皆さんには、ご多忙なことと存じますが、ぜひ取材いただきますよう、よろしくお願いいたします。

それでは、本日の会見事項について、発表をさせていただきます。

第38回和辻哲郎文化賞受賞作の発表について

1件目は「第38回和辻哲郎文化賞受賞作の発表について」です。

この賞は、姫路出身の哲学者・和辻哲郎の業績を顕彰するため、和辻の生誕百周年と姫路市制百周年を記念して、昭和63年度に創設したもので、今年で38回を迎えます。

今回は、一般部門107点、学術部門72点の計179点のご応募がありました。

それでは受賞作を発表いたします。

一般部門は、愛知県名古屋市在住の、名古屋大学大学院人文学研究科教授・日比 嘉高(ひび よしたか)さんの『帝国の書店―書物が編んだ近代日本の知のネットワーク』です。

本作は、大日本帝国期において日本語の書物を扱った外地(がいち)書店と書店取次(とりつぎ)の歴史をたどることで、近代日本を支えた文化的基盤のありようを斬新な視点で描き出した力作です。

次に、学術部門では、東京都練馬区在住の、立教大学文学部教授・渡名喜 庸哲(となき ようてつ)さんの『レヴィナスのユダヤ性』が選ばれました。

本書は、レヴィナスの哲学の展開を、特に彼の思想に見出される「ユダヤ性」の変遷と内容を明らかにしながら、包括的かつ周到な論述で再検討することを試みた意欲作です。

選考にあたりましては、一般部門は、辻原 登(つじはら のぼる)先生、山内 昌之(やまうち まさゆき)先生、ロバート キャンベル先生、学術部門は、清水 正之(しみず まさゆき)先生、野家 啓一(のえ けいいち)先生、関根 清三(せきね せいぞう)先生にご協力いただき、第38回目となった本年も、すばらしい作品を選ぶことができました。深く感謝しております。

続きまして、授賞式についてご案内いたします。

毎年、和辻哲郎の生誕日にちなんで開催しており、今年度は3月1日(日曜日)に市民会館にて行います。授賞式に続く記念講演会では、昨年度に和辻哲郎文化賞〈学術部門〉を受賞した哲学者で、現在、朝日新聞1面で「折々のことば」を連載中の鷲田 清一(わしだ きよかず)さんをお招きし、「『しんがり』の心構え―地域社会と『私』」と題してお話しいただきます。

「姫路市版 仙台防災枠組2015-2030中間評価報告書」について

続きまして2件目は「『姫路市版 仙台防災枠組2015-2030中間評価報告書』について」です。

「仙台防災枠組2015-2030」は、平成27年に仙台市で開催された「第3回国連防災世界会議」において採択された、国際的な防災の指針です。「仙台防災枠組」の取組期間が折り返しを迎え、世界では国家レベルでの取組が進んでおり、国内では令和5年に初めて仙台市と東北大学が共同で中間評価を行っております。

こうした中、令和6年6月に本市で開催された世界銀行「防災グローバルフォーラム2024」を契機に、仙台市と東北大学から本市へ、中間評価の取組について打診がありました。本市といたしましては、阪神・淡路大震災から30年の節目であること、東日本大震災では発災直後から継続的に多くの職員を被災地へ派遣していたこと、また、仙台市長には太平洋戦全国空爆犠牲者慰霊協会の理事に就任いただいていることなど、深い「縁」で結ばれているとの思いから、これまでの防災の取組を分析・評価し、その結果を今後の施策立案や市民の皆さまの防災意識の向上に活用するため、中間評価を行うことを決断いたしました。

この取組は、大規模な災害の被災地となっていない自治体としては「全国初」となります。本市が先駆けて中間評価を行うことで、同様のリスクを抱える他の自治体のモデルケースとなり得るものと考えております。

中間評価では、市民や企業の皆さまなど、全てのステークホルダーが優先して実施すべき4つの「優先行動」と具体的な目標である7つの「グローバルターゲット」に沿って、本市における取組の進捗や達成状況を分析・評価いたしました。評価に当たっては、兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科と連携し、客観的な評価が得られるよう取り組みました。

評価の結果、「優先行動」に係る取組は「グローバルターゲット」の達成に重要な役割を果たしており、災害による人的被害の防止等に効果をあげていることが確認できました。一方では、「グローバルターゲット」のおよそ半数は目標に到達できておらず、今後の取組の方向性や、被害状況の定量的把握を通じて、データに基づく施策を行うことの重要性など、多くの示唆を得ることができました。

本書を通じて、本市がこれまで進めてきた取組を市民の皆さまと共有するとともに、災害への強靭性や回復力、いわゆる「災害レジリエンス」を一層高め、災害関連死を含めた被害の防止を図るなど、「仙台防災枠組」の後半期における対策を着実に進めてまいります。

30年前のあの日を忘れることなく、震災の教訓を未来へと引き継ぎ、防災・減災対策をさらに強化し、「災害等に強く安全で安心な都市 姫路」の実現に向けて取り組んでまいります。

本日は、中間評価にご協力いただいた、兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科の科長であられます永野 康行(ながの やすゆき)教授にお越しいただきました。専門的な立場から、中間評価の意義や本市の取組への評価等について、お話をいただきます。

私からは、以上でございます。

兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科 科長 永野教授による説明

兵庫県立大学 大学院 減災復興政策研究科長の永野康行です。中間評価の意義と、姫路市の取組への評価等について説明します。

まず、今回の中間評価は、国際的な仙台防災枠組を「姫路市の実情に引きつけて具体化した」ローカル版の取組を点検するものです。世界の共通目標と、地域の現場での実務・暮らしとをつなぐ点で、学術的にも実務的にも大きな意義があります。

仙台防災枠組では、災害リスク軽減のための4つの優先行動が示されています。特に、姫路市の場合は、世界遺産を含む歴史的市街地と、工業・物流・住宅地が混在する都市構造を持ち、地震・風水害双方のリスクに向き合っている点が特徴です。そのため、都市計画、文化財保全、産業継続、生活再建が一体となった防災・減災戦略が不可欠であり、その方向性が仙台防災枠組の考え方と整合的かどうかも評価の重要な観点となります。

今回の中間評価において、全国的・国際的な文脈から見ても評価できる次の点を、強調したいと思います。姫路市がこれら指標を意識し、自らの施策を点検しようとしていることは、「感覚的な防災」から「エビデンスに基づく防災」への大きな一歩と評価できます。次に、姫路市が、インフラ更新、環境対策、地域コミュニティの維持・活性化といった分野と防災を結びつけて考えようとしている点は、「防災をまちづくりの一部として位置づける」優れた取組といえます。

一方で、ハザードマップや各種計画は整備されていても、市民や事業者の行動変容につながっているかどうかは別問題です。特に高齢者、外国人、観光客など、多様な人々にどう届けるかが今後の大きなテーマになります。

兵庫県立大学 大学院 減災復興政策研究科としては、国際枠組の動向や最先端の研究成果を踏まえつつ、姫路市の現場の実態に即した分析・評価を行うこと、行政・市民・企業・学校をつなぐ「知のハブ」として、対話と協働の場づくりに貢献すること、を使命と考えております。

ぜひこの中間評価を「防災の専門的な話」にとどめず、「姫路の未来のまちづくり」の議論として、概要版も利用しながら市民の皆さんにわかりやすくお伝えいただければ幸いです。私ども大学としても、今後とも姫路市と連携しながら、科学的知見に基づく防災・減災、そしてより良い復興の実現に取り組んでまいります。

以上です。

質疑応答(要旨)

記者:
「仙台防災枠組2015-2030中間報告書」で、姫路市の状況が優れている、あるいは足りないと思われる点を簡単に説明してください。

永野教授:
過去に大きな災害を受けていない都市の一番手として姫路市が取り組んだ志、防災はやはり気持ちの問題も大事ですので、そのマインドを市民の皆さんに届けようとされている。市民向けに概要版も作られたのは素晴らしいと思います。報告書を見れば、4つの優先行動などがちゃんと明示されており、それを一人ひとりの市民の皆さん、ご高齢の方や成人の方、お子さんも含め、家族で読めるようなものにされています。現状、市民の皆さん一人ひとりのところまでまだ行き届いてないと思いますが、それが行き届いた時に、この報告書の成果の本領が発揮されると思っています。
人間は、経験していないことに対するリアクションは非常に難しいものですから、より自分ごととして訓練等に取り組んでもらえるようになることが大切だと思ってます。地震災害を経験していなければ災害に対して備え等もしにくいです。訓練しろと言われても、なかなかできない。30年前を思い起こせば、当時、神戸に地震なんて来ないと皆思ってました。でもそんな地域って多分ないんですよね。日本は地震国ですから。同様に最近、地球温暖化に起因するような形で豪雨などの自然災害が非常に多発していますし、また規模が大きくなってもいます。備えもさる事ながら、行政だけでなく、企業も含め、日本国全体での意識の向上、マインドの向上が不可欠だと思ってます。

記者:
大きな災害を受けてない都市としては初めての取組であるというご説明でしたが、大きな災害を受けた都市で、同じように中間評価報告書をまとめた自治体はいくつあるのでしょうか。

危機管理担当理事:
仙台市の1市のみです。国内の自治体では仙台市と姫路市のみ、国レベルでは73カ国が取り組んでいると聞いています。

記者:
国内では仙台市に続いて2例目ということですか。

市長:
そうです。大規模災害を受けてない都市としては初めてということです。

記者:
姫路市が仙台防災枠組の中間評価報告に取り組んだのは、2024年の防災グローバルフォーラムが契機だったということですか。

市長:
そうです。世界銀行主催の防災グローバルフォーラムはちょうど世界遺産登録30年の節目に開催されました。その際、世界銀行の担当者の方に、なぜ会場として姫路市を選んでくれたのかお伺いすると、阪神・淡路大震災で神戸は市民も企業も行政も大変頑張られたが、その神戸を助けるために、その周辺の市町が初期出動や傷病者の受け入れを頑張ってきた、だからこそ神戸の復興も成しえたという評価を世界銀行がされたと聞きました。
フォーラムには多くの関係者が来られましたが、そこで、仙台防災枠組というものがあるので、全国の自治体もやればいいのにということを言われました。我々も阪神・淡路大震災を思い返し、延べ3,000人以上の市職員が被災地の復興を支援してきたことを未来へ繋げていくためには、こういったフレームワークを検討して、安心安全なまち作りに取り組んでいることをしっかりとアピールしたい。そのため、この枠組を活用させていただき、中間評価をしよう、となったわけです。

記者:
永野先生は建築構造学がご専門と認識していますが、先生からご覧になって、姫路城は南海トラフ地震クラスの大規模な地震が起きたとき、どの程度耐えうるのでしょうか。何か脆弱性があるとしたら、どのような耐震補強策を行っていったらいいのでしょうか。

永野教授:
姫路城の構造の詳細については存じないですし、計算書等の持ち合わせがないので分かりませんが、改修された折に相当詳細な調査がなされていると思いますので、おそらく耐震性に問題ない現状であると認識しています。南海トラフ地震での壊れ方については、政府で800通りぐらいのシミュレーションがされています。マグニチュード9クラスというのが東北で一瞬ありました。過去には大体8.4とか8.6プラス、非常に大きなものが陸側で起こったときの最悪のケースのようなものが今独り歩きしています。ここからは私の技術者としての感覚的な話になりますが、姫路市は、それほど壊滅的なことにはならないのではないかと思っています。被害想定も私自身の永野研究室としての研究領域ですが、姫路市の都市構造を踏まえた研究では、ひどいことになっていなかったように記憶しています。

市長:
熊本地震を鑑みて、石垣の堅牢性等を今も調査しています。昭和39年に天守閣を解体し、組み直すときに一番底の部分の基礎だけは最低限の耐震性を保つ上での補強はしているとのことです。
運用的な部分で言うと、1時間に2,000人以上は天守閣に登閣しないように入城制限を設けています。現状では震度4ぐらいで瓦が落ちた程度の被害だったと記憶しています。石垣の調査は既に始めています。熊本地震は朝の4時でしたので、石垣が崩れても人的被害はありませんでしたが、姫路城も人的被害が出ないようにものすごく気を遣ってます。建築学の先生方にお知恵をいただきながら、姫路城の安全性を高めていきたいと思っています。

記者:
中間評価報告書の概要版3ページに姫路市の評価結果として、10万人当たりの災害による死亡者数が載っていますが、2005年から2014年の年平均と、2015年から2024年の年平均を比べて数値が悪くなっています。何か原因があるのでしょうか。

危機管理担当理事:
風水害によって死亡者が1名出たことにより、削減目標が達成できてないという意味です。

市長:
犠牲者が出たことについては、啓発ですとか、防災無線等をもっと使えばよかったのではないか、という反省になっています。

記者:
今回の衆議院選挙をどうご覧になりましたか。

市長:
今回の選挙は、年明けから急に解散風が吹き始めて、まさかこの時期にと虚をつかれました。基礎自治体の長としましては、どの候補者が当選されるかということよりも、選挙を無事に、公平公正に運営できるかということが最も重要です。しかしながら、姫路市も含め多くの自治体で投票用紙の交付ミスがありました。本市において投票用紙の二重交付が起こったことは、急な選挙で準備期間が短かったとはいえ、本当に遺憾に思っています。

記者:
1月の下旬に、中小企業庁が中小企業に対する価格交渉に関する調査結果を公表しました。姫路市役所は残念ながらこの交渉の項目において最低の評価になっています。この件についての市長の受け止めと、この結果を踏まえて、何か対応を検討されているのかという点についてご教示ください。

市長:
具体的なフィードバックを中小企業庁からもらっていないので、どの点で何が悪かったのか分かっていません。中小企業庁が行ったアンケート結果の詳細が公表されていないのです。我々も中小企業庁から、ここがおかしいから改善しなさいと言われたら対応できるのですが。担当する職員には、物価高騰を受け、事業者から申し出があれば適切に対応するよう言っています。

記者:
今回の結果を踏まえ、庁内の状況を調べているのでしょうか。

市長:
現状では、物品、公共工事、業務委託のどの領域の契約についての評価なのかも分からない中、何千もある契約を全部調べることは困難かと思います。
今回の調査結果はアンケートに基づくものですが、アンケートは主観が入りやすいという側面もあります。現場としてもどう対応したらいいのか戸惑っているのが実情です。