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    市長所信表明(令和6年度)

    • 公開日:2024年2月15日
    • 更新日:2024年2月15日
    • ID:26753

    令和6年第1回市議会定例会の冒頭において、市長が市政運営に当たっての基本方針を説明しました。

    市長の所信表明演説の様子1
    市長の所信表明演説の様子2

    はじめに

    令和6年度予算案並びにこれに関する諸議案のご審議をお願いするに当たり、市政の基本方針と施策の大要を申し上げ、姫路市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

    市内で新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから約4年が経過しました。長期にわたったコロナ禍は徐々に収束へと向かい、ようやく世の中に日常が戻ってまいりました。一方で、いまだ終わりの見えないロシアによるウクライナへの軍事侵攻や、緊迫化する中東情勢など、国際情勢は混迷を深めています。社会や経済を取り巻く状況はかつてないほど目まぐるしく変化し、先行きを見通すことがこれまで以上に困難なこの時代において、昨年4月、市民の皆さまから力強いご支援をいただき、引き続き市政の舵取りを私に任せていただくこととなりました。その重責に改めて身の引き締まる思いがいたします。皆さまからのご期待にお応えできるよう、初心を忘れることなく、「人にやさしい市政、人をたいせつにする市政」の推進に尽力してまいります。

    昨年は、新型コロナウイルス感染症の類型が季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げられ、本市がコロナ禍を乗り越え、さらに飛躍するための、再スタートを切る節目の年になりました。日本初となる姫路城の世界遺産登録から30周年を迎えたことを記念して、「平成中村座姫路城公演」や「特別版お城EXPO(エキスポ) in 姫路」、「Himeji大手前通りイルミネーション」など、多彩な記念事業を展開することで、国内外から多くの方々にお越しいただきました。

    市内の多くの地域においても、イベントや学校行事が通常通り開催されるなど、日々の生活の中にもにぎわいが戻ってまいりました。これらは、かつての日常や人と人とのつながりを取り戻そうとする皆さまの頑張りによって実現することができたものであります。

    また、「つどう」「交流」「学びあう」「支えあう」をコンセプトに、思春期の若者や子育て世代を包括的に支援する「こどもの未来健康支援センター(みらいえ)」の開設や、夜間中学としては県内初の単独校となる「あかつき中学校」の開校、デジタル技術を活用し市民生活の利便性向上を図る「姫路版スマートシティ」の推進などを通じて、全ての市民の皆さまが生涯にわたっていきいきとくらすことができるまちの実現を目指し、新たな一歩を力強く踏み出した年でもありました。

    一方で、加速する少子化や長引く物価高騰など、本市を取り巻く社会経済情勢は依然として非常に厳しい状況が続いており、待ったなしの課題が山積しております。また、本年1月1日に発生した能登半島地震のような大規模自然災害にいつ見舞われてもおかしくありません。

    こうした中において、市民の皆さまのLIFE、「命」「くらし」「一生」を守り、支えるとともに、地域の「活力」を生み出すことは、市長である私の使命です。全ての市民の皆さまが、姫路市民であることに誇りを持ち、住んでよかったと思えるまちであるために、そして、「まさか」の事態に備え万全を期し、「ふるさと・ひめじ」がいつまでもにぎわいと活気に満ちたまちであり続けるために、持てる力の全てを尽くして市政を推進してまいります。

    そこで、令和6年度予算編成に当たっては、市民の皆さまの「命」をたいせつにする、「くらし」を豊かにする、「一生」に寄り添うことを市政の根幹としつつ、ポストコロナ時代において、より良い未来を切り拓き、歩みを進めていく原動力となる「活力」ある姫路を創造するための施策に積極的に予算を配分いたしました。

    各会計予算は、

    一般会計 2,361億円

    特別会計(7会計) 1,135億円

    企業会計(2会計) 590億円

    総額 4,086億円

    となっております。 

    以下、順次、令和6年度の主要な事業のうち、特に象徴的、先導的な事業である「リーディングプロジェクト」について、ご説明申し上げます。

    LIFEに関わる4つのメインテーマ

    「活力」ある姫路を創造する市政

    メインテーマの第1は、「活力」ある姫路を創造する市政であります。

    社会の不確実性が高まる中にあっても時代の変化に対応し、活力に満ちた姫路の未来を切り拓くため、「ひとづくり」「デジタル」「グリーン」「まちづくり」の4つの「改革」に取り組んでまいります。

    未来を拓く「ひとづくり改革」

    1つ目は、未来を拓く「ひとづくり改革」であります。

    出会いから結婚、妊娠・出産期の支援については、若い世代に出会いのきっかけを提供するため、新たな出会いの形として定着しつつあるマッチングアプリや、結婚相談所の利用料金の一部を助成するほか、生後1か月頃の乳児の健康診査にかかる費用を助成し、子どもの健康を守るとともに経済的な負担を軽減します。

    さらに、昨年9月から運用を開始した子育て応援アプリ「ひめっこ手帳」を活用して、乳幼児健康診査や小児予防接種に関する記録をデジタル化するなど、母子保健サービスのさらなる充実を図ることで、若者の出会いから子育てに至るまで、ライフステージに応じた支援を行います。

    健やかな成長を支える子育て環境の整備については、子育て世代の経済的な負担を軽減するため、子どもが医療機関を受診した際にかかる医療費を18歳まで完全無償化します。また、就労要件を問わず柔軟に保育所などを利用できる「(仮称)こども誰でも通園制度」の本格実施を見据え、試行的事業を実施します。

    さらに、放課後等デイサービスの人材確保・定着のため、新たに開設した事業所に就職した方に対して補助金を支給するなど、全ての子どもの育ちを応援するための包括的な支援サービスを提供します。

    より良い教育環境の整備については、本市の魅力あふれる特性や価値を生かした市立高等学校づくりを進めるため、令和8年度の統合新設校の設置に向けて、市立3校の学習活動や部活動等の一部を合同で実施し、交流を図ることで一体感を育むとともに、旧中央卸売市場跡地における新校舎建設に向けた取組を推進してまいります。

    また、令和6年度からの3か年で全ての市立学校の体育館に空調を設置し、児童生徒の教育環境の充実や、避難所としての機能強化を図るとともに、不登校の児童生徒をサポートするため、市立小中学校に不登校児童生徒支援員を配置し、学習や生活の支援を行うほか、学校以外の居場所として出張型の適応教室を増設します。

    さらに、英会話やプログラミングなどを含む子どもたちの幅広い学びをサポートするため、学習プラットフォームを構築し、オンラインで利用できるコンテンツを導入します。

    併せて、外国人留学生と本市の高校生が共に学び、活動する環境づくりを支援するとともに、地元企業における国内外の高度人材の確保に向け、官民協働の下、多文化理解やコミュニケーション能力など、国際社会で必要なスキルを備えたグローバル人材の育成や外国人留学生の大学等への進学、卒業後の市内・県内への就職のサポートに取り組んでまいります。

    生活の質を高める「デジタル改革」

    2つ目は、生活の質を高める「デジタル改革」であります。

    姫路版スマートシティの推進については、官民が保有するさまざまなデータを連携することにより、新しいサービスの創出や地域課題の解決に向けた取組を進めます。また、外部有識者等と連携し、市が提供する各種アプリの利用状況や効果の検証を踏まえた上でサービスの改善を図るとともに、ワークショップ等を開催することで市民参加や地域間の交流・連携を推進し、「市民一人ひとりが暮らしに満足し、自分らしい生活を送ることができる姫路」の実現を目指します。

    デジタル技術を活用した市民サービスの向上については、本市のLINE公式アカウントにおいて、防災情報や観光案内などの情報発信メニューを充実させるとともに、市民の皆さまからの意見募集や各種電子申請にも活用してまいります。

    併せて、姫路市民アプリ「ひめパス」を活用し、市内公共施設における授乳室の設置状況などの子育て情報をより分かりやすく発信するほか、外国人や視覚障害者など、あらゆる人が読みやすい広報誌を提供するため、多言語翻訳や音声読み上げ等の機能を有する情報配信ツールを導入するなど、デジタル技術を活用し、情報発信力の強化を図ります。

    また、手書きせずに住民異動等の届出ができる「書かない窓口」の機能を強化し、窓口サービスにおける市民の利便性と職員の業務効率の向上を図ります。

    さらに、インターネットやスマートフォンなどの情報通信技術を使える人と使えない人の間に生まれる情報格差、いわゆるデジタル・ディバイドを解消するための多様な機会を提供するほか、音声認識AI技術を利用した難聴者窓口支援機器を導入するなど、より便利に、より手軽に市民サービスを利用できるように、さまざまな取組を展開してまいります。

    加えて、本市が取り組む政策がより効果的・効率的なものとなるように、庁内ビッグデータを利活用したエビデンスに基づく政策立案(EBPM)を全庁的に推進してまいります。

    成長を促す「グリーン改革」

    3つ目は、成長を促す「グリーン改革」であります。

    ゼロカーボンシティの推進については、2050年までの二酸化炭素の実質排出ゼロを目指し、姫路の脱炭素化をけん引するため、「姫路城ゼロカーボンキャッスル構想」を推進します。併せて、EVやFCVの導入費用を助成するとともに、市役所本庁舎に市民の皆さまが利用できるEV用急速充電設備を整備するなど、モビリティの脱炭素化を促進します。

    さらに、市内のスーパー等の小売店と連携して、賞味期限が近い食品などを回収し、フードバンク団体やこども食堂に寄付することで、生活困窮世帯等への支援と事業系食品ロスの削減を進めます。

    また、市川美化センターの後継施設として、カーボンニュートラルにつながる最先端の機能を備えた新たなごみ処理施設の整備に向けた取組を推進してまいります。

    にぎわいを創出する「まちづくり改革」

    4つ目は、にぎわいを創出する「まちづくり改革」であります。

    グリーンファミリー制度の創設については、本市の均衡ある発展を目指して、豊かな自然環境と多様な文化を有する郊外部への移住・定住支援を強化するため、さまざまな取組を行います。

    郊外部に移住した若者世帯に対し、最大50万円の移住支援金のほか、中学生以下の子ども一人当たり最大150万円の子育て支援金の支給や、新幹線を利用して通勤する方への交通費の助成など、経済的な負担の軽減を図ります。

    併せて、EVやFCVといった次世代自動車を購入する際の助成のほか、住宅の取得に向けた支援を行うなど、郊外部での生活を始める上で必要な支援を充実させます。

    さらに、農業に興味を持つ移住者はもとより、市内在住の方も含めた就農支援を充実させるため、専門的な知識を有するコンシェルジュによる相談支援体制を整備するほか、農業技術の習得支援等を行います。

    「ふるさと・ひめじ」移住・定住支援の充実については、ずっと住み続けたいまちとして市内外の方に選んでいただけるように、本市の魅力を広くPRするためのブランドメッセージやロゴを作成し、シビックプライドの醸成や都市イメージの向上を図ります。

    また、東京圏に居住している方が本市に移住した際の支援金の支給や、移住を検討する方に対してきめ細かな情報を提供する移住相談ワンストップ窓口の開設、市内に定住し、播磨圏域で働く若者への奨学金返還支援など、人口減少の緩和に向けた取組を幅広く展開してまいります。

    居心地が良く歩きたくなるまちなかづくりの推進については、本市のシンボルロードである大手前通りにおいて、歩行者利便増進道路(通称:ほこみち)制度を活用し、にぎわい創出に向けた取組を推進します。また、「Himeji大手前通りイルミネーション」や姫路城のライトアップイベント等を開催することで、中心市街地において魅力的な光の空間を創出し、まち歩きを楽しむための本市の新しい観光コンテンツとして発信します。

    さらに、「ウォーカブル推進計画」に基づき、地元自治会や事業者等による公共空間の利活用を促進するほか、まちなかの魅力向上に向けた仕組みづくりを進めてまいります。

    周辺地域の活性化推進については、省エネ性能やWi-Fi環境を整備した家島交流センターを開設し、世代間の交流や観光客等との交流を育むとともに、高齢者の生きがいづくりを促進してまいります。また、世代・地域を超えた交流を生み出すため、花田インター北東付近に播磨の実力(みりょく)あふれる「(仮称)道の駅姫路」の整備を推進してまいります。

    「命」をたいせつにする市政

    メインテーマの第2は、「命」をたいせつにする市政であります。

    市民の皆さまのたいせつな命をしっかりと守り、生涯を通じて自分らしく活躍できる社会を構築するため、次の事業に重点的に取り組んでまいります。

    安全安心なまちづくりの推進については、急な病気やけがで救急車を呼ぶべきか迷った際に、24時間365日、専門家から適切なアドバイスを受けることができるように、本年1月より開始した「救急安心センターひめじ ♯7119」の普及に取り組みます。また、昼間時間帯における救急需要に対応するため、日勤救急隊を創設し、救急体制のさらなる充実を図ります。

    誰もがいきいきとくらせる社会の実現については、若い世代の子宮がん検診の受診を促すため、20歳から30歳まで2歳刻みで検診費用を無料化するほか、未受診の方に対して自己採取HPV検査キットを送付します。また、50歳のみを対象としていた胃内視鏡検査について、対象者を40歳と60歳にも拡充するとともに、50歳以上の方を対象に、帯状疱疹ワクチンの接種費用の一部を助成します。

    さらに、歩数計測や脳トレといった機能を備えたアプリを導入し、その利用状況に応じて活動ポイントを付与することで高齢者の外出を促進するなど、フレイル予防や認知症予防を推進します。

    併せて、健常な状態と認知症の中間の状態である軽度認知障害(MCI)の方を早期に発見し、予防支援プログラムを実施することにより、認知症への進行予防を支援するほか、誰もが自らの望む形で最期を迎えることができるように、終活に関する支援を行ってまいります。

    「くらし」を豊かにする市政

    メインテーマの第3は、「くらし」を豊かにする市政であります。

    地域経済やスポーツ・文化の振興を通じて、市域全体の活性化を図り、市民の皆さまの彩り豊かなくらしの実現を目指すため、次の事業に重点的に取り組んでまいります。

    観光資源の充実と魅力発信については、観光地としての播磨圏域のブランド価値が向上するように、定番の観光地だけでなく、魅力的ではあるもののいまだ認知度が低い観光資源について、著名人を活用した情報発信を行うほか、市内周遊型ナイトツアーや「人間将棋 姫路の陣」など、魅力的な観光コンテンツを充実させ、滞在型観光を促進します。

    また、姫路城の保存修理をはじめとする先人から引き継がれてきた職人の伝統技術を学ぶ「SDGs体験型教育旅行プログラム」の造成や、観光客と地域住民の双方に配慮した持続可能な観光地のマネジメントに取り組むほか、定期的な透析治療が必要な方であっても姫路観光を楽しむことができるように、透析旅行者の受入プログラムの造成に向けたモニターツアーを実施し、ユニバーサルツーリズムを促進します。

    加えて、令和7年の大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭を見据え、国内外からの誘客に積極的に取り組むなど、DMOと連携しながら戦略的に観光地域づくりを推進してまいります。

    さらに、本年6月に日本で初めて開催される、世界銀行主催の「防災グローバルフォーラム2024」や、全国の首長、議員等が参加する「第86回全国都市問題会議」をアクリエひめじで開催するなど、MICEの誘致・開催を通じて、国際会議観光都市・MICE都市としての本市の魅力を広く世界にアピールしてまいります。

    地域産業の活力増進については、中小企業の経営基盤を強化するため、事業承継を検討している中小企業者を対象としたセミナーを開催するとともに、新たに「姫路創業ステーション」において、専門家による相談の場を設けるなど、事業承継の支援体制を強化します。さらに、AI活用を推進するセミナーと個別相談会を同時開催し、中小企業の生産性向上に向けた取組に対する支援を拡充します。

    また、持続可能な農林水産業の実現を図るため、作業の効率化や省力化に資するスマート機械等の導入費用の一部を助成するとともに、実演会の開催を通じて農業法人や認定農業者に対してスマート農業機械やシステムに関する情報提供を行ってまいります。

    手柄山中央公園の再整備については、「手柄山中央公園整備基本計画」に基づき、令和8年10月の供用開始に向け、引き続き、本市の新たなスポーツの拠点として、国際大会、プロスポーツ等の大規模大会の開催も可能な新体育館や屋内競技用プールの整備のほか、老朽化が進むロックガーデン周辺の改修等を行います。

    さらに、幅広い世代から愛されている姫路球場にナイター照明と1スクリーンタイプのスコアボードを整備し、そのリニューアル記念として、「プロ野球フレッシュオールスターゲーム2024」をはじめ、さまざまなイベントを開催します。

    芸術や文化の振興については、新たな視点から姫路の文化資源の価値を創出するために令和3年度から4か年計画で実施している、「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」のラストイヤーにふさわしい多彩なプロジェクトを展開してまいります。

    「一生」に寄り添う市政

    メインテーマの第4は、「一生」に寄り添う市政であります。

    市民の皆さまが希望と誇りを持ち、このまちで一生を過ごしたいと思えるような地域づくりを推進するため、次の事業に重点的に取り組んでまいります。

    市民協働の地域づくりについては、市立公民館に整備するWi-Fi環境を活用し、児童生徒の学習者用端末を利用した企画や講座を開催するほか、教員OB等による子どもの学習支援を実施するなど、地域における子どもの居場所づくりを進めるとともに、笑顔あふれる多世代交流の機会を創出します。

    また、ボランティア活動の新たな担い手を発掘、育成するため、「ひめじdeボランティア」の開催や、デジタルツールを活用したスタンプラリーを通じて、若年層をはじめとする幅広い世代のボランティア参加を促進します。

    都市基盤の強化については、播磨臨海地域道路の早期整備を目指し、本線ルートの都市計画素案を踏まえ、アクセス道路等の検討を進めてまいります。

    また、姫路港広畑地区及び網干地区における臨港道路等の早期整備に向け、引き続き、国・県と共に取り組み、「臨港道路網干沖線・広畑線」及び「国道250号」への接続道となる、市道広畑60号線の整備を進めます。

    公共交通の利便性向上については、令和8年春の開業に向け、手柄山中央公園北側にJR新駅の整備を進めるほか、令和7年春の供用開始に向け、JR英賀保駅の北改札口と自由通路を整備します。併せて、「鉄道駅周辺整備プログラム」に基づき、その他の鉄道駅についても、駅施設のバリアフリー化など、誰もが安全かつ快適に利用できるように、計画的・効果的に整備を進めてまいります。

    おわりに

    以上、令和6年度の主要事業について、リーディングプロジェクトを中心にご説明を申し上げました。

    新型コロナウイルスのパンデミックという未曾有の災禍に見舞われた私たちは、見えざる敵に怯えながら、これからの生活はどうなるのだろうと不安に苛まれる日々を過ごしました。こうした状況においても、コロナ禍という暗闇の先にある光明を信じて、懸命にご尽力いただいた医療従事者、各関係機関の皆さま、そして市民の皆さまのご協力に、改めて心から敬意と感謝を申し上げます。皆さまのお力添えがあったからこそ、あの苦難を乗り越えることができました。

    そして今、改めて私たちは、急激な人口減少という我が国全体を覆う危機に向き合わなければなりません。少子化が加速する中、現在約52万人の本市人口も、2050年には今より約9万人減少すると予測されています。このまま人口減少と少子高齢化が進行すると、地域経済の縮小、買い物や医療・介護等の生活関連サービスの利便性低下、行政サービスの低下、地域コミュニティの崩壊など、市民生活のあらゆる面において深刻な影響が生じる恐れがあります。

    今日の人口減少や少子高齢化は、ここ数年に始まったことではありません。10年も、20年も前から、将来こうなることは分かっていたはずです。それにも関わらず、今日のような事態となった根底には、「いつか人口は増えるだろう」、「何とかなるだろう」といった、根拠なき楽観的思考や惰性的な姿勢が私たちにあったのではないでしょうか。こうした姿勢とは決別し、本気でこの問題に向き合わなければ、本市は立ち行かなくなります。この現実から目を背けることなく、人口減少社会に適応したまちのあり方をオール姫路で考えていかなければなりません。

    そして、この困難な時代において、まちに活力を生み、明るい未来を切り拓いていくための原動力は、「人」です。私たちの「ふるさと・ひめじ」を、50年先、100年先も皆に愛されるまちとしてたいせつに引き継いでいくために、未来の創り手となる「人」を育むことは、いまを生きる私たち大人に課せられた大きな責務であり、しっかりと取り組んでいかなければなりません。

    姫路でくらす全ての市民の皆さまの現在(いま)と未来を託された者として、「静かなる有事」とも言われるかつてないこの難局において、前例や慣習に囚われることなく、このまちのあり方を抜本的に見直しながら、積極的な施策展開と持続可能な行財政運営の両立を図ることは、私に課せられたミッションです。誰もが前途洋々たる姫路のまちを思い描けるよう、強いリーダーシップの下、大胆かつ果敢に舵を取ってまいります。

    市民の皆さま、議員の皆さま。私たちの前に立ちはだかる壁は高く、分厚いものです。それでも、共に力を合わせて、勇気をもって難局に立ち向かう。コロナ禍を乗り越えてきたこのまちにはその力があると私は確信しています。いまを生きる姫路市民だけでなく、未来を生きる姫路市民のためにも、輝かしい未来を掴み取りましょう。

    市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、令和6年度の所信表明といたします。

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