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市長所信表明(令和8年度)

  • 更新日:
  • ID:32760

令和8年第1回市議会定例会の冒頭において、市長が市政運営に当たっての基本方針を説明しました。

市長の所信表明演説の様子1
市長の所信表明演説の様子2

はじめに

令和8年度予算案並びにこれに関する諸議案のご審議をお願いするに当たり、市政の基本方針と施策の大要を申し上げ、姫路市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

私は、市民の皆さまから市政を託された者として、お一人おひとりの「命」をたいせつにするとともに、日々の「くらし」を豊かにし、「一生」に寄り添うことを自らの責務として、市政運営を行ってまいりました。

市民投票により昨年2月に決定した本市のブランドメッセージ「住むほどに 好きが深まる 姫のまち」に込められた思い、「住みたい」ではなく「住み続けたい」に、まちを進化させ、市民の皆さまに「姫路でくらして良かった」「これからも姫路でくらしたい」と思っていただけるまちづくりを成し遂げるため、日々職務に邁進しているところでございます。

昨年は、若い世代の多様なライフプランを支援するため、卵子凍結費用の助成を新たに開始するなど、若い世代がプレコンセプションケアに取り組む環境の整備を進めたほか、子どもたちの健やかな育ちを支えていくため、県内で初めて、肺炎など重症化の恐れがあるRSウイルス感染症から乳児を守る、妊婦向け「RSウイルスワクチン」の接種助成を開始いたしました。

また、急速なグローバル化の進展への対応として、産官学連携のもと発足した「ひめじグローバル人材育成コンソーシアム」の枠組みにより、日本の文化や価値観を理解し、地域社会を担うグローバル人材の育成・確保に取り組むとともに、本市に人材を呼び込み・定着させるべく、新たに台北市などとの連携を図ってまいりました。

さらに、人類全体にとって傑出した文化的価値を有する世界文化遺産・姫路城と、オーストリアのシェーンブルン宮殿、チェコのプラハ城が、観光・経済・文化など幅広い分野での連携を目的とした姉妹城提携を新たに締結するなど、本市が「国内外から選ばれるまちづくり」を進めていく上で、戦略的な布石を打つことができました。

併せて、大阪・関西万博のオーストリアパビリオンで展示されていた、世界3大ピアノブランドの1つであるベーゼンドルファー社製のグランドピアノを、多くの購入希望がある中、オーストリア政府の力添えもあり獲得できたことは、これまで取り組んできた国際交流の大きな成果であるとともに、分断を乗り越え、対話や交流を訴えかける万博のレガシーを次世代に継承していく上で、交流の重要性を具現化した非常に意義のある取組となりました。

一方で、日本全体がこれまで経験したことのない人口減少や、急激な物価高騰など、不確実な社会に直面しています。

特に、出生数は、コロナ禍の後も減少傾向に歯止めがかからず、国の予測をはるかに超えるスピードで少子化が進んでいます。

このような状況を乗り越え、市政のメインテーマである市民の皆さまのLIFE、「命」「くらし」「一生」を守り支えるとともに、「活力」ある姫路を創造するためには、社会の礎である「ひと」への投資に取り組みつつ、若者や外国人、企業を惹きつけ、国内外から選ばれる「まち」を築いていくことが重要です。

さらに、抜本的なマインドチェンジのもと、人口が右肩上がりの時代に構築されたさまざまな社会経済システムを、人口減少時代でも活力を生み出すことができる「しくみ」へと、迅速に変革していかなければなりません。

こうした想いのもと、姫路の今と未来を見据え、真に求められる施策を展開すべく令和8年度予算を編成いたしました。

各会計予算は、

一般会計 2,618億円

特別会計(7会計) 1,149億円

企業会計(2会計)  603億円

総額   4,370億円

となっております。

以下、令和8年度の主要な事業について、順次ご説明申し上げます。

LIFEに関わる4つのメインテーマ

「活力」ある姫路を創造する市政

メインテーマの第1は、「活力」ある姫路を創造する市政であります。

社会の不確実性が高まる中にあっても時代の変化に対応し、次世代に誇れるまちを引き継いでいくため、「ひとづくり」「デジタル」「グローバル」「まちづくり」の4つの「改革」に取り組んでまいります。

未来を拓く「ひとづくり改革」

1つ目は、未来を拓く「ひとづくり改革」であります。

少子化が加速し、生産年齢人口の減少が課題となる中においても、子育て世代が未来に希望を持って安心して子どもを産み育てることができるよう、子育て支援の充実に取り組みながら、地域全体で子どもたちの成長を見守り、その喜びを分かち合える社会の実現を目指してまいります。

また、変化の激しい予測困難な社会において、次代を担う子どもたちが新しい時代を切り拓く力を養えるよう、時代に即した学びの環境を整えてまいります。

出会いから結婚、妊娠・出産期の支援については、若い世代が自身のライフプランや健康に向き合う環境を整えるため、将来の妊娠・出産を希望する女性に卵子の凍結保存に係る費用を助成するなど、プレコンセプションケアの推進に引き続き取り組んでまいります。

また、若い世代の出会いや結婚を支援するため、マッチングアプリの利用料金等を助成するほか、新たに市内在勤の若者等を対象とした出会い・交流イベントを開催いたします。

さらに、子育て世代の負担軽減と利便性向上を図るため、子育て応援アプリ「ひめっこ手帳」を活用し、子どもの成長記録や健診データ等の管理を支援してまいります。

健やかな成長を支える子育て環境の整備については、子どもの発達特性を早期に把握し、新たに構築を図るフォローアップ体制のもとで適切な支援につなげていくため、5歳児健康診査のモデル事業を実施いたします。

また、就労要件を問わず保育所等を利用できる「こども誰でも通園制度」について、対象施設の拡大に取り組んでまいります。

さらに、質の高い教育・保育サービスを安定的に供給していくため、引き続き、教育・保育施設で働く保育士等への処遇改善に取り組むほか、放課後児童クラブの運営体制の充実を図るため、民間活力の導入を段階的に進めてまいります。

より良い教育環境の整備については、探究学習の充実と深化を図るため、教員への伴走型支援や国際的な教育プログラムの研究などに取り組むほか、子どもたちの自己肯定感や自己効力感を高めるため、メタバース型の学びの空間である「学習プラットフォーム」のエリアを拡張し、生徒が制作した絵画や音楽等の作品の展示ができるデジタルギャラリーを開設いたします。

また、地域のスポーツ・文化の振興のほか、コミュニティを支える人材を育成するため、「学び」や「体験」の機会を提供する人と、提供を受けたい人をつなぐ「学びのマッチングプラットフォーム」を構築いたします。

さらに、子どもたちが発するSOSを早期に発見し、きめ細かな支援につなげるため、1人1台端末を活用した「心の健康観察」システムを全ての市立学校に導入いたします。

加えて、地域全体で教育を充実させる体制づくりを推進するため、行政・企業・市民団体等の情報共有や交流を促進するオンラインプラットフォームの構築に向けた取組を開始いたします。

さらに、誰一人取り残されない教育を推進するため、不登校児童生徒支援員を全ての小・中学校に配置するほか、引き続き、スクールソーシャルワーカーによる相談支援を行うなど、一人ひとりに寄り添ったきめ細かな支援に取り組んでまいります。

併せて、子育て世帯の経済的な負担を軽減するため、国からの小学校給食費無償化に向けた支援措置等を活用し、小学校給食費の完全無償化を実施いたします。

また、教育環境の充実を目的とした学校の適正規模・適正配置については、令和9年度の学校統合を控えた子どもたちが新たな学校生活に馴染めるよう「学び舎ひとつプロジェクト」として合同交流行事を開催するほか、通学の安全を確保するため、スクールバス導入に向けた準備を進めてまいります。

加えて、中学生が将来にわたってスポーツや文化芸術活動に継続して親しむことができる機会や環境を確保するため、本年9月から始動する新たな地域クラブ活動「姫カツ」では、姫カツに関わる全ての人の活動を支援する「姫カツコンソーシアム」を設立するほか、休日のセキュリティ対策や、中山間地域の子どもを対象とした送迎バスの運行など、子どもたちが安心して姫カツに参加できる環境づくりに取り組んでまいります。

さらに、生徒一人ひとりの主体的な学びを実現する「姫路市立高等学校」を本年4月に開校するほか、旧市場跡地における新校舎建設に向け、基本構想及び基本計画の策定を進めてまいります。

生活の質を高める「デジタル改革」

2つ目は、生活の質を高める「デジタル改革」であります。

社会のさまざまな分野で担い手が不足し、財源などのリソースが限られていく中においても、デジタル技術等を活用して省人化・省力化を進めることで、より質の高いサービスを生み出すことができる「しくみ」を構築してまいります。

デジタル技術を活用した市民サービスの向上については、住民異動の届出を記入なしで行える「書かない窓口」システムの運用を本庁から出先事務所の一部に拡大いたします。

併せて、「待たない窓口」を実現する窓口予約システムの導入や、仮想空間上での市民相談や市民交流の実現に向けメタバース市役所の実証事業に取り組んでいくことで、市民の皆さまの利便性向上と業務効率化を図るフロントヤード改革を推進してまいります。

さらに、政策目的の明確化と施策の有効性を高めるため、エビデンスに基づく政策立案の実践を図るとともに、公開可能な統計資料や業務データの効果的な活用を推進するため、データの可視化や分析機能を備えたデジタルツールを導入いたします。

併せて、職員向けに生成AIを活用するための実践的な研修を実施し、生成AIツールの利用拡大を図ることで、市役所のDXを更に推進してまいります。

世界とつながる「グローバル改革」

3つ目は、世界とつながる「グローバル改革」であります。

人口減少が進む中においても、本市が持続的に発展していくため、経済・観光・文化など、あらゆる分野で国際社会とのつながりの深化に取り組むことにより、国際的なブランド力の向上を図りながら、人材や企業を惹きつける施策を展開していくことで、「グローバルなまちづくり」を進めてまいります。

戦略的なグローバル事業の展開については、グローバル人材の育成・確保や都市ブランド力の向上など、本市が「世界から選ばれるまち」となるための施策を戦略的に展開していくため、国際戦略の策定に取り組んでまいります。

また、本市の国際的なブランド力や認知度の向上を図るため、フェニックス市との姉妹都市提携50周年を契機とした公式訪問団の派遣に加え、海外姉妹城等とのネットワークを活用し、さまざまな分野で国際交流を展開してまいります。

さらに、外国人材の育成・確保や地域への定着を図るため、高等教育機関における外国人短期留学生受入れへの支援や、外国人留学生向けの合同企業説明会などを実施するほか、地域経済の活性化に向け、海外企業の誘致に官民協働で取り組んでまいります。

加えて、地域と調和した多文化共生社会の実現に向け、外国人住民が地域に根を下ろし、共に支え合う社会を形成できるよう、日常生活相談や日本語学習支援に取り組むほか、外国人児童・生徒の多言語化等への対応として、拠点型の日本語指導教室を通年で実施いたします。

ゼロカーボンシティの推進については、グローバルな環境問題に対応し、持続可能な社会を構築するため、住宅用宅配ボックスの設置費用の助成枠を拡大し、宅配の再配達抑制を図ることで、温室効果ガスの削減や、運送業における人手不足の軽減に取り組んでまいります。

また、再生可能エネルギーの普及促進に向け、市民・事業者の皆さまに対し、太陽光発電設備や蓄電システムの導入費用等を助成いたします。

加えて、市川美化センターの後継施設として、旧南部美化センター跡地において、循環型・脱炭素社会の形成に寄与する新たなごみ処理施設の整備に取り組むほか、公共施設や学校について照明のLED化を推進してまいります。

にぎわいを創出する「まちづくり改革」

4つ目は、にぎわいを創出する「まちづくり改革」であります。

国内外から多様な世代が「集い」、「にぎわう」まちに、そして、ブランドメッセージ「住むほどに 好きが深まる 姫のまち」に込められた「住み続けたい」と思えるようなまちを目指して、施策を戦略的に展開してまいります。

さらなる「ひめじ創生」の推進については、シビックプライドの醸成を図るため、ブランドメッセージを旗印として、SNSを活用した、まちづくりの担い手の紹介や、市民情報発信チーム「スキヒメ発信部」の育成など、市民参画型のふるさとプロモーションを展開してまいります。

また、本市への移住・定住を促進するため、若者世帯郊外UJIターン補助金のメニューを拡充し、テレワーク環境の整備費用を新たに助成いたします。

にぎわいあふれる交流空間の創出については、まちなかの回遊性向上と観光消費額の増加を図るため、本年10月の供用開始を目指し、新たな観光交流拠点施設を整備いたします。

また、国際大会やプロスポーツ大会のほか、大規模イベントの開催が可能な施設として整備を進めている「大和工業アリーナ姫路」については、ヴィクトリーナ姫路によるエキシビションマッチや、「Novelbright」による音楽イベントなどの開館記念イベントを幕開けに、スポーツを核とした「交流人口拡大」や「にぎわい創出」の起爆剤として、幅広く活用していくことで、地域に活力を生み出してまいります。

併せて、ヴィクトリーナ・ウインク体育館の大規模改修により、利用者の利便性向上を図るとともに、同アリーナとの2館体制での開催を強みとしたプロモーションを展開していくことで、大規模大会の誘致効果を高めてまいります。

また、飾磨中央公園を市民の皆さまの憩いとにぎわいの空間へリニューアルするため、Park-PFIによる再整備を推進するほか、誰もが快適に利用でき、管理しやすい公園づくりを目指し、公園の機能再編・過剰施設の集約など既存公園の再整備に向けた基礎調査等を実施いたします。

さらに、「播磨の実力(みりょく)にあふれ、世代・地域を越えた交流を生み出す道の駅」をコンセプトに、播但連絡道路花田インターチェンジ北東付近において、「(仮称)道の駅姫路」の整備に県・市一体で取り組んでまいります。

地域コミュニティの活性化については、公民館を拠点とした地域の活性化を推進するため、子ども向けプログラムの充実を図るなど、多世代交流を促進するとともに、デジタル化により自治会活動の負担軽減を図り、持続可能な地域コミュニティの形成を支援してまいります。

また、高齢者の社会参加と多世代交流を促進し、生きがいや健康づくりにつながる活動を支援するため、老人クラブ連合会の「こども育成事業」を新たに助成対象とするほか、老人クラブ活動の活性化を図るため、単位老人クラブへの助成要件を緩和するなど、老人クラブの裾野の拡大を図ってまいります。

「命」をたいせつにする市政

メインテーマの第2は、「命」をたいせつにする市政であります。

市民の皆さま一人ひとりの尊い「命」を守り抜くため、安全安心な体制の構築を図るとともに、生涯にわたって健やかにくらせる社会の実現に向けた取組を進めてまいります。

安全安心なまちづくりの推進については、防災会議に女性部会を設置し、女性の視点を避難所運営などの防災対策に反映させるほか、災害時の被災者支援を迅速かつ効果的に実施するため、デジタル技術を活用し、罹災証明書発行や被災者管理等の業務を一元管理できる被災者生活再建支援システムを導入いたします。

また、在宅人工呼吸器装着者の災害時の受入れの拠点とするため、ポータブルバッテリー等を配備した福祉避難所を整備してまいります。

さらに、リース契約による防犯カメラの設置を新たに補助制度の対象に追加することで、通学路など防犯上重要な場所への防犯カメラの設置を促進し、地域の安全の確保を図ってまいります。

加えて、今後増加が見込まれる空き家への対策として、解体や活用を促進するとともに、空き家に関する相談にきめ細かく対応するため、民間事業者と連携協定を締結し、空き家所有者等への支援体制の強化に取り組んでまいります。

また、豪雨等による浸水被害の軽減を図るため、雨水幹線等の下水道施設の整備や都市基盤河川の改修など総合的な浸水対策に取り組むとともに、大規模災害の発災時や感染症の流行時にも消火・救急活動を継続できる体制を強化するため、姫路東消防署を移転新築するほか、飾磨消防署の大規模改修を実施いたします。

加えて、災害の恐ろしさや備えのたいせつさを体感できる防災学習施設となるよう、ひめじ防災プラザのリニューアルに取り組むほか、災害時の消防団員間の迅速な情報共有による即応体制の強化や団員の負担軽減を図るため、出動指令から事後処理まで一元管理できる消防団活動支援アプリを導入いたします。

また、マイナ救急の活用により救急業務の円滑化を図るとともに、救急搬送体制を強化するため、増加する昼間時間帯の救急需要に対応する日勤救急隊を増隊いたします。

誰もがいきいきとくらせる社会の実現については、子どもの発達状況に応じた支援環境の充実を図るため、放課後等デイサービスの利用可能日数を拡大するほか、利用日数拡大の受け皿となる事業所を確保するため、相談窓口の設置などにより、新規事業所の開設を促進してまいります。

また、障害者が、一人ひとりの状態に応じた障害福祉サービス等の利用について相談できる体制の充実を図るため、相談支援専門員を新たに雇用する相談支援事業所の支援に取り組むとともに、医療的ケア児・者や重症心身障害児・者の在宅生活を支え、家族の介護負担を軽減するため、医療機関等に対し、医療型短期入所事業所の開設支援を進めてまいります。

さらに、障害者就労支援事業所を利用する障害者の工賃と就労意欲の向上を図るため、事業所職員向け工賃向上セミナーの開催など障害者就労支援事業所への支援を強化してまいります。

加えて、介護分野の重要な担い手となっている外国人介護人材の定着を促進し、安定的な介護サービス提供体制を確保するため、外国人介護人材の育成に取り組む介護事業所を支援するほか、ヤングケアラーの負担を軽減するため、家事・育児支援を行うヘルパーを派遣するなど、レスパイトケアに取り組んでまいります。

また、高齢者や障害者を対象としたタクシーや船舶などの交通優待助成制度の利便性向上を図るため、誰もが簡単に利用できるデジタルサービスを導入いたします。

併せて、フレイルや軽度認知障害の早期発見を図り、医療機関と連携した適切な支援につなげるため、AIを活用したモデル事業を実施いたします。

また、開館30周年を迎える平和資料館では、平和のたいせつさを再認識し、平和意識を高める契機とするために、記念事業を開催するほか、本市最初の名誉市民で、原爆症研究において多大な功績を残された都築正男氏の展示コーナーを拡充いたします。

「くらし」を豊かにする市政

メインテーマの第3は、「くらし」を豊かにする市政であります。

市民の皆さまの「くらし」を彩り豊かなものとするため、観光や文化、産業の振興を通じて、市域全体の活性化を力強く推し進めてまいります。

観光資源の充実と魅力発信については、姫路城を核とした市内観光の回遊性向上と観光消費額の増加を図るため、本年3月から始まるデジタルチケットの本格導入に合わせ、入城券と周辺観光をセットにしたプレミアムプランを造成・販売するほか、未来を担う子どもたちに世界文化遺産・姫路城の価値や文化芸術への理解を深める機会を提供するため、姫路城や、美術館などの城周辺施設について、18歳未満の子どもの観覧料を無料化いたします。

また、滞在型観光の推進に加え、海外からの誘客を促進するため、「台湾夜市」などナイトイベントの開催に取り組むとともに、中心市街地への誘客と回遊性向上を図るため、「Himeji大手前通りイルミネーション」の開催エリアを姫路城周辺まで拡大いたします。

さらに、海外富裕層旅行者の誘客に向けては、DMOと連携し、ストーリー性を持たせた特別な体験コンテンツを開発するとともに、海外大手旅行会社を招いた現地視察ツアーの開催や、海外富裕層向けWebメディアへの広告掲載など、ターゲットに合わせた効果的な情報発信に取り組んでまいります。

加えて、「第20回世界歴史都市会議」を本市で開催し、世界文化遺産・姫路城をはじめ、歴史的・景観的価値のある文化財を有した国際会議観光都市としての本市の魅力を世界に発信するほか、国際会議協会ICCAが所有する国際会議の開催実績・予定を網羅したデータベースを活用し、戦略的なMICE誘致活動を展開してまいります。

文化芸術の振興については、本市の文化芸術レベルの向上を図るため、国際音楽交歓コンサートを開催するなど、一流のクラシック音楽に気軽に触れられる機会を提供するほか、世界に羽ばたく若手ヴァイオリニストの発掘・育成にもつながる、国際ヴァイオリンコンクールの開催に向けた準備に取り組んでまいります。

また、本年4月から令和9年12月までの美術館の休館中においても、市民の皆さまが美術に親しめる機会を継続的に提供するため、美術館庭園をはじめ館外での参加型イベントやワークショップを実施いたします。

地域産業の活力増進については、地域経済の活性化を図るため、地域未来投資促進法の活用により、地域の特性を活かして、高い付加価値を生み出す工場用地の創出を図ってまいります。

さらに、商工団体と連携した相談窓口の設置などにより、スタートアップや事業承継への支援に取り組むほか、本市の魅力ある地場産品等の販路開拓に向け、国内外の展示会への出展を支援してまいります。

また、中小企業の生産性向上を促進し、賃上げ環境を整備するため、AIを活用し業務の効率化に取り組む経費を助成するほか、専門家派遣による伴走支援や、DX人材の育成支援を行うなど、中小企業のDXを促進してまいります。

併せて、中小企業の成長・発展に向け、企業・大学・支援機関等が連携し、新製品や新技術の開発などイノベーションを創出する仕組みを構築するための調査・研究を進めてまいります。

さらに、多様な働き方を希望する市民の皆さまを支援するため、本市独自の就業マッチングプラットフォームをWeb上に開設し、スポットワークの機会を創出するほか、専門資格がなくても福祉分野等での就労につながるよう、基礎研修や就労体験を通じた事業者とのマッチング機会の提供に取り組んでまいります。

また、水産業の生産性向上と経営安定化に向け、漁業協同組合等が行う設備整備費用を助成するほか、昨年、深刻な被害を受けた養殖マガキ生産事業者を支援するため、種苗や資機材購入費用などを助成いたします。

また、近年、全国的に熊の出没が相次ぎ、本市においても有害鳥獣対策の強化が求められている中において、従事者の高齢化が進む有害鳥獣捕獲活動の担い手を確保し、農作物被害等の防止体制を強化するため、狩猟免許取得費用の助成内容や猟友会による緊急銃猟対応等の出動報酬を拡充するほか、新たに猟犬ワクチン接種費用を助成するなど、有害鳥獣被害の防止に取り組んでまいります。

「一生」に寄り添う市政

メインテーマの第4は、「一生」に寄り添う市政であります。

市民の皆さまに「一生」を「ふるさと・ひめじ」で過ごしたいと思っていただけるよう、将来にわたって安心してくらせるまちづくりを進めてまいります。

都市基盤の強化については、国や県と連携を図りながら、播磨臨海地域道路の早期整備を目指し、引き続き都市計画決定に向けた取組を進めるほか、姫路港広畑地区及び網干地区における臨港道路等の着実な整備に向け、臨港道路網干沖線・広畑線及び国道250号への接続道となる市道広畑60号線の整備を推進してまいります。

さらに、市南西部の慢性的な渋滞解消及び密集市街地の防災力向上に向け、広畑幹線ほか1路線において新設橋梁を含む道路整備事業を推進するほか、姫路駅周辺の南北交通の円滑化に向け、内環状東線の整備に取り組んでまいります。

加えて、通学路の安全確保とボトルネック踏切及び交差点渋滞の解消を図るため、荒川線の早期開通に向けアンダーパス工事を推進するほか、地域住民の日常生活における利便性を高めるため、JR網干駅の北側駅前広場の整備に取り組んでまいります。

また、安全安心な水道サービスを提供するため、令和13年春の供用開始を目指して、老朽化した甲山浄水場に代わる新たな基幹浄水場の整備を推進するとともに、家島地域に水道水を安定的に供給するため、海底送水管の更新に取り組んでまいります。

さらに、下水道管きょの更新をより効率的かつ効果的に行うため、従来の詳細カメラ調査に加え、カメラによる簡易点検の点検距離を伸長し、より広範囲な管きょの状態把握を進めるほか、効率的な下水道事業運営に向け、揖保川処理区において、下水道管路施設等の包括的民間委託である「ウォーターPPP」の導入を進めてまいります。

公共交通の利便性向上については、本年3月14日に開業する「手柄山平和公園駅」へのアクセス向上を図るため、南北駅前広場や周辺道路の早期整備に取り組むほか、その他の市内鉄道駅についても、誰もが安全かつ快適に鉄道を利用できるよう、「鉄道駅周辺整備プログラム」に基づき、計画的に整備を進めてまいります。

また、路線バスへの乗り継ぎなどの利便性向上を図るため、バス事業者が実施するキャッシュレス決済環境の整備を支援するほか、企業や医療機関等による送迎バスの運行状況を調査し、地域の輸送資源の活用に向けた検討を進めてまいります。

信頼ある行政運営の推進については、各分野で活躍する方々の意見を市政運営に活かすため、「地域未来共創セッション」を開催するほか、若者目線による市政情報の発信を強化し、若い世代の市政への理解や関心、参画を推進するため、「スキヒメ学生ライター」によるインターネット等を活用した情報発信に取り組んでまいります。

また、新たに策定する「公共施設等総合管理計画」では、人口減少やインフラの老朽化が進行する中にあっても持続可能な行政サービスが提供できるよう、社会構造の変化に柔軟に対応できる施設整備手法の検討も含め、公共施設等の最適化に取り組んでまいります。

おわりに

以上、令和8年度の主要な事業について、ご説明を申し上げました。

私は市政を預かる立場として、常に市民の皆さまのLIFEを第一に考え、全力を注いでまいりました。その中では、多くの困難な課題に直面いたしましたが、その都度、職員と共に議論を重ね、知恵を出し合いながら、限られた財源の中で、市民の皆さまにとって最善の成果が得られるよう、全身全霊で取り組んでまいりました。

今、日本は、まさに歴史的な転換点にあります。長く続いた人口増加の時代を経て、本格的な人口減少の時代を迎えています。 この変化は、私たちがこれまで築いてきた社会の仕組みや価値観の根本的な見直しを迫るものです。

過去の経験則だけでは、この難局を乗り切ることはできません。変化の激しい時代にあって、次世代、そして、その先の世代にわたり、本市が真に持続可能な都市として進化していくためには、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というドイツのビスマルクの言葉のとおり、自らの経験だけに頼るのではなく、先人が築き上げた歴史から多くのことを真摯に学びとりつつ、大胆な発想で新たな道を切り拓いていく必要があります。

そのためには、市民の皆さまの声に耳を傾けながら、市民サービスの提供方法や、官民連携など事業の実施手法、そして、行政組織そのもののあり方など、さまざまな分野において従来の方式の見直しを進めつつ、社会的使命を終えた事業、期待した効果が現れていない事業については廃止・縮小を行うことで時代の変化に対応した分野に資源を集中させるなど、人口減少時代に適応できる行政にモデルチェンジしていかなければなりません。

こうした改革により、戸惑いや寂寥感を感じる方がおられるかもしれませんが、これは、誰もが未来に希望を持てるまちづくりを進めるための必要な過程なのです。

私たちは今、人口減少時代という未踏の大地に立つ開拓者です。理想とする姫路の未来像を胸に、恐れることなく未開の地を切り拓いていくため、歴史から学んで得た教訓を活かし、革新的な発想と技術を原動力としながら、時代のトップランナーとして、新たなまちを創造してまいります。

市民の皆さま。このまちは、先達の皆さまが築き上げ、そして今を生きる市民の皆さまお一人おひとりが守り、支えてくださっているからこそ、輝き続けています。

今、本市は大きな時代の転換点に直面しており、この豊かなまちを次代に残していけるよう、これまで築き上げてきたシステムを速やかに再構築し、まちを変革していかなければなりません。

そのためには、市民の皆さまにも、この時代に即した抜本的なマインドチェンジを行っていただく必要があります。

変革の道のりは決して平坦ではなく、時に厳しい選択をしなければならないこともあるでしょう。

しかし、それはこれからも市民の皆さまのくらしを守りながら、皆さまと一緒に次世代へバトンをつないでいくための選択なのです。

今日の勇気ある決断が、明日の繁栄の礎となる。その信念のもと、皆さまとの対話をたいせつにしながら、着実に前進してまいります。

共に手を携え、未来に希望が持てる姫路のまちを創造してまいりましょう。

そして議員の皆さま。

市民の皆さまお一人おひとりが姫路に愛着を持ち、次世代にも誇れる姫路を残していくためには、議会と行政がそれぞれの役割を果たしながら、共通の目標に向かって共に歩みを進めることが不可欠です。

世代を超えた知恵を結集し、従来の発想や前例にとらわれることなく、人口減少時代という新たな現実に即した柔軟な思考で未来を切り拓き、より良い政策を練り上げ、共に希望あふれる姫路の未来を創りあげてまいりましょう。

市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、令和8年度の所信表明といたします。