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令和6年7月10日市長記者会見

  • 更新日:
  • ID:28198

会見事項

  1. こども医療費の完全無償化について
  2. 「みらいえ」におけるプレコンセプションケア事業について

報告事項

なし

市長会見内容

市政記者クラブの皆さま方には、お忙しいところご出席をいただきまして、ありがとうございます。
先月、アクリエひめじをメイン会場に開催されました世界銀行主催の「防災グローバルフォーラム2024」につきましては、135カ国から1,720名の参加者をお迎えしました。同会議では、活発な議論が展開されるとともに、本市の魅力を存分にPRすることができ、国際会議観光都市・MICE都市としての存在感を高めることができたと考えております。
また、姫路城の料金改定の件では、多くのメディアの皆さまに取り上げていただき、さまざまな意見をいただきました。姫路城の縦覧料は、保存活用計画に基づき、概ね10年間の維持管理費や保存整備費、災害への強靭性の確保等に必要な経費を勘案し、設定を行うもので、現在、今後の入城者数の推計や経費の推移、社会情勢の変化、入城手続きにかかるデジタル化などを考慮して、検討を重ねているところです。いずれにしましても、姫路城の本質的価値とその美しさを千年先の未来の姫路市民の皆さまに引き継ぐことができるよう努めてまいりたいと思います。
それでは、本日の会見事項について、発表をさせていただきます。

こども医療費の完全無償化について

まず、子どもの医療費の完全無償化についてでございます。
人口減少の緩和に向けた取り組みのひとつとして、子育て世帯における経済的な負担を軽減することで、安心して子育てができる環境の整備を図るため、令和6年7月1日から、0歳から18歳までの子どもの医療費を、通院・入院ともに所得制限なしで無償化いたしました。
今回の制度拡大により、多子世帯以外の高校生世代、及びこれまで所得制限により対象外となっておられた中学3年生以下の方、約21,000人が無償化の対象となりました。
事業規模でございますが、令和6年度予算のこども医療費全体の総額では、約28億円で、このうち拡大分の追加予算は、7月からの8か月分で約5.3億円、通年ベースでは約7.2億円を見込んでおります。
なお、完全無償化というのは、いわゆる「18歳まで所得制限なし自己負担なし」のことです。市民の皆さまのご負担はありませんが、医療保険からの給付が7割、自己負担分の3割を市が助成する制度であり、誰かが医療費を負担していることを忘れないでほしいと思っています。
少子化問題が待ったなしで市を襲う今、少しでも早く対策を打ち出す必要があると考え、今回こども医療費の無償化に踏み切りました。受診機会の確保によって、こどもの健康を維持するということに最大限活用してほしいと思う反面、今後も医療費の増大は見込まれます。持続可能な制度として適切に運営していくために、適正受診・適正服薬にご協力をお願いしたいと考えています。

「みらいえ」におけるプレコンセプションケア事業について

続きまして、こどもの未来健康支援センター「みらいえ」におけるプレコンセプションケア事業についてでございます。
次世代に健康をつなぐライフサイクルをサポートする「みらいえ」では、先駆的にプレコンセプションケア事業に取り組み、普及啓発に努めております。
プレコンセプションケアとは、若い男女が将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うことで、近年注目されているヘルスケアです。思春期、青年期の早い段階から健康等に関する正しい知識を得て、健康的な生活を送ることで、健やかな妊娠や出産につながり、更には将来の自分や子どもの健康の可能性を拡げます。
本市ではこれまで、乳幼児とその保護者を対象とした「親子で学ぶ性教育講座」や、小学生・中学生を対象とした「思春期出前授業」、高校生・大学生を対象とした「プレコンセプションケアセミナー」等を実施し、大変好評を得ております。そしてこの度、社会人を対象とした「プレコンセプションケアセミナー」を実施することで、全ての世代に切れ目なく正しい知識や情報を提供できる体制を整えることができました。
開催日時は、8月31日(土曜日)の午前10時からで、助産師や保健師により、自分の体について正しく理解することや、生活習慣の整え方、必要に応じた検査、ワクチンについての知識など、健康への取り組みを伝えます。加えて、妊娠や出産も踏まえたライフプランを具体的に考えていただき、将来に向け、今できることを考えていただく機会とします。
また、セミナーの受講者には、県内で初めての取り組みとして、内科健診に性感染症検査や生殖機能検査等を加えた「プレコンセプションケア健診」の費用3万円を上限に助成いたします。自身の健康状態を十分に知り、医師等の専門職から助言を受けることで、より具体的に健康生活への取り組みが実践できると考えております。
なお、プレコンセプションケアにつきましては、みらいえの展示コーナーやホームページにおいても分かりやすく楽しく学んでいただけるような情報発信を行っております。
ぜひ多くの市民の皆さまに、プレコンセプションケアを知っていただき、もっと素敵な自分になるために、そして未来の家族のために、できることから取り組んでいただきたいと考えております。
私からは、以上でございます。

質疑応答(要旨)

記者:
医療費の完全無償化は、市長の公約に挙げられていましたが、この時期での達成については「ようやくできた」なのか「速やかにできた」など、市長のお気持ちをお聞かせください。

市長:
7月から医療費の完全無償化を開始しましたが、その財源は恒久的に確保できてはおりません。市の財政もそこまで豊かではないので、財源を確保できた部分から、段階的に無償化する方法もあったと思います。昨年度に実施した事業見直しで捻出した費用を、仮にすべて充てたとしても完全に財源を確保できてないのに、職員の一部からは見切り発車ではないかという声もありました。
しかしながら、私の政治的決断といいますか、所信表明でも申し上げましたが、少子化対策、人口減少問題は、喫緊の課題であり、今取り組まなければ、ときを逸してしまうかもしれない。だからこそ、このタイミングで18歳までの医療費の完全無償化を実施し、財源については走りながら考えていこうという形で進めています。
ただ医療費の完全無償化は、令和4年に市議会の決議で強く要望されたことでもありますので、単純に私の選挙公約というよりも、市議会議員の皆さま方の総意であるとも思っております。

記者:
12月に従来の健康保険証が廃止され、マイナ保険証に移行しますが、無償化のための紙の医療費受給者証はどうなるのでしょうか。

市長:
今年度は紙の受給者証を送っておりますので、保険証と一緒に利用いただくことになります。将来的には、マイナ保険証と医療費受給者証を一本化できるよう国が取り組みを進めておりますので、今のうちにマイナ保険証の登録を進めていただければと思っております。
マイナ保険証を登録することにデメリットがあるかのような報道もございますが、重複処方を防ぐことができるほか、現在実証実験をしておりますが、マイナンバーカードを活用して救急業務の迅速化・円滑化を図ることもできますので、命を守るマイナンバーカード、マイナ保険証にもなることを知っていただければと思います。 

記者:
プレコンセプションケア健診については、性別は関係なく助成可能でしょうか。

市長:
そうです。女性の方が受診されることが多いと思いますが、不妊の原因は、男性女性それぞれにありますし、家族設計を考えていく中で、もし健康上のご不安がある方は、男女関係なく相談ができるよう体制を整えていきたいと思っております。

記者:
プレコンセプションケア健診については、指定医療機関等があるのでしょうか。

みらいえ所長:
現時点では13の指定医療機関があります。現在調整中ですので、セミナーの開催までには、ホームページに掲載する予定としております。

記者:
冒頭の挨拶でもございましたが、姫路城の料金改定について、現在の状況をお聞かせください。

市長:
皆さまには報道していただき、非常に重要な話題提起の機会を作っていただきましたが、まだ何一つ決まっておりません。
防災グローバルフォーラムのシンポジウムでは、城郭考古学者の千田嘉博先生から姫路城が熊本城と同じような直下型地震に昼間に見舞われたら、石垣が崩れて100人の死傷者が出たでしょうとお話がありました。我々もこういった視点では、これまで一度も議論しておらず、文化財を保護するだけではなく、世界遺産で人が亡くなったり、人が怪我をしたりすることは絶対避けなくてはいけないと思いました。維持管理費や保存整備費に加え、こうした安全対策などを考えると、30ドルくらいは取らなくてはと、あくまでも外国人の出席者が多かったことから発言したことが独り歩きしたことは本意ではありません。
自分たちの税金使ってインフラ整備を行い、愛城精神で清掃ボランティアに参加されている市民の皆さまのことを考えると、最終的にその分やさしい料金体系になるかもしれませんが、逆に多く払っていただく以上は、それに見合うだけのおもてなしを持って対応させていただくということは、検討していきたいと思います。
例えば、外国の方が大天守の急な階段を登るときに、大きい荷物を持っているので落ちてケガをされることがあります。そうならないよう駅前で荷物を一時預かりするとか、足の悪い方には車椅子を貸し出すなど。また、入城制限が発生したときに、炎天下でもずっと待っておられる方もいますが、熱中症のリスクがあります。これをデジタル化による予約制にして、レストランの割引券なども一緒に発行することで、駅前を自由に散策するなど、滞在時間を有効に過ごすことができます。
一律に「外国人が」というよりも、まずどういう料金体系にすればいいかということと、安心安全な観光地として、石垣の耐震診断、耐震補強等を実施するために必要なコストなど、全部合わせてこれから議論していくところです。

記者:
本日の新聞報道で、姫路城三の丸広場の夜間入場制限と有料化を検討しているとありましたが、その件についてお聞かせください。

市長:
この件についてもまだ調査の段階です。
市長に就任してから姫路城の広場での不審火や、夜間に不審者が備前丸まで侵入する事件が発生しました。首里城の火災が発生した前後だったということもあり、その際はたまたまセンサーでいち早く感知したので、不法侵入で済んだけれども、世界遺産を守るという観点においては、お粗末ではないかということで、三の丸広場の夜間封鎖について考えはじめました。
夜中の通行量調査や夜間閉鎖の社会実験をしたこともあります。夜間の通行量はほとんどありませんでしたが、夜遅くに仕事が終わる方でしょうか、通路として使われている方もいるようです。しかしながら、そのためのライトアップをしていないので、もし暴漢にでも襲われたらと考えると何か事件事故があってからでは遅いのではないかとも思っています。昔は日没後には閉めていたのですから、これから皆さまと議論していかなければなりません。
冒頭にも申し上げましたが、姫路城の本質的価値とその美しさを千年先の未来の姫路市民の皆さまに引き継ぐことができるよう、いろいろな改革が必要じゃないかと検討しているところで、先ほどお話しした料金改定を含め、本当にまだ何も決まっておりません。

記者:
兵庫県政についてですが、ハラスメントを告発した元西播磨県民局長が亡くなるという事態になりました。姫路市としては兵庫県政と歩調をそろえながら、いろんな事業をしてきたという経緯もあると思います。市長としての受けとめをお聞かせください。

市長:
まず亡くなられた元西播磨県民局長につきましては、ご家族の方も含め、心からお悔やみを申し上げます。西播磨の市長さんたちと共同事業をしていく中で、いつも前向きな発言をしていただいておりましたので本当に辛いです。
斎藤知事は、若くて非常に優秀で、デジタル改革やリモートワーク、水素社会の推進、教育改革など、時代の流れに即応して、理想的に一生懸命考えてやっておられます。政策を批判するつもりは全くありません。首長は、公務員を統括して束ねていく立場で、スピード感を持ってやろうと思ったら、やはりいろいろな軋轢や溝ができるということも考えられますが、県のことは、私には分かりませんし、県政については、市が意見を言う立場にはありません。今回の件は、県議会で百条委員会が設置され検証されますので、我々はその推移を見守るしかないのかなと思います。