企画展「生誕120年記念 詩人坂本遼展」の開催
- 更新日:
- ID:28664
資料提供日
令和6年(2024年)11月27日(水曜日)
問い合わせ先
担当課 姫路文学館
担当者 甲斐
電話番号 079-293-8228
兵庫県加東市出身の詩人坂本遼(1904年から1970年)の人と作品を紹介する展覧会を開催します。
開催趣旨
貧しい農民たちの哀歓を土地の言葉で朴訥にうたい、現代詩史に方言詩の新たな地平を開いた兵庫県加東市生まれの詩人坂本遼。
丹波との国境に位置する播磨の山あいで自作農の家に生まれた感傷的な少年は、つつましい暮らしのなか母の深い愛情を受けて育ちました。留守がちな教師の父に代わり、峠田で一心に鍬を振る母(おかん)に象徴されるふるさとが、のちの詩のテーマとなります。
関西学院在学中、詩人草野心平にいち早く見出され、その詩誌「銅鑼(どら)」に参加。平仮名を書くのがやっとの母が寄越す手紙への返信を綴るかのように詩作に励み、大学を卒業した年に最初で最後となる詩集『たんぽぽ』(昭和二年 銅鑼社)を上梓して一躍注目を集めますが、母の死や生活の糧を模索する日々のなかでいつしか文学から遠ざかってゆきました。
長らく封印していた坂本の詩心を再びよみがえらせたのは、戦後、井上靖と竹中郁によって創刊された児童詩誌「きりん」での作文指導でした。生活の中から懸命に発せられる言葉にこそ「うつくしい心」を見出そうとするその姿勢は、かつて詩作で弱く貧しい者たちの無心の営みに人間の尊さを見たことと通ずるものがあります。
生誕百二十年という節目を迎え、このたび坂本家ご遺族および加東市教育委員会のご好意により膨大な未公開資料の調査を行うことができました。本展では、自身についてほとんど語ることのなかったこの寡黙な詩人の足跡をたどるとともに、そのまなざしがとらえ続けた“詩”の在処(ありか)を探ります。どうぞご期待ください。
坂本遼 プロフィール
明治37年から昭和45年(1904から1970)
詩人。
兵庫県加東郡上東条村横谷(現・加東市)に生まれる。
上東条尋常高等小学校(現・加東市立東条学園小中学校に併合された東条東小学校の前身)、兵庫県立小野中学校(現・小野高等学校)を経て、大正12年、関西学院(現・関西学院大学)文学部英文学科に入学。大正14年、「日本詩人」第二新詩人号への入選を機に草野心平の「銅鑼」に参加。同級生の竹中郁が主宰する「羅針」などにも作品を寄せた。
関西学院を卒業した昭和2年9月に詩集『たんぽぽ』と小説集『百姓の話』を刊行。同年、姫路野砲兵第十聯隊に志願兵として入隊。昭和4年3月の除隊後、紆余曲折ののち、昭和6年に朝日新聞大阪本社に入社。従軍記者や応召を経て、戦後は学芸部次長、論説委員などの要職を務めながら児童詩誌「きりん」の編集に力を注いだ。
著書はほかに『こどもの綴方・詩』(昭和28年 創元社)、児童小説『きょうも生きて』(昭和34年 東都書房/厚生大臣賞・産経児童出版文化賞受賞)、『虹・まっ白いハト』(昭和40年 理論社)。
展覧会概要
会期
令和6年12月7日(土曜日)から令和7年3月30日(日曜日)まで
- 休館日:月曜日(1月13日、2月24日は開館)、12月25日(水曜日)から1月5日(日曜日)、1月14日(火曜日)、2月12日(水曜日)、2月25日(火曜日)、3月21日(金曜日)
- 開館時間:午前10時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
会場
姫路文学館 北館
観覧料
一般450円、大学生・高校生300円、中学生・小学生150円(常設展料金)
- 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方(手帳またはミライロID手帳画面をご提示ください)及び介護者1人は無料
- 姫路市内在住の65歳以上の方、どんぐりカード、ココロンカード提示の小中学生は無料
- 20名以上の団体は2割引
協力
加東市教育委員会
主催
姫路文学館
展示構成
原稿や書簡、書籍や雑誌、写真等約200点を展示。初公開資料や、新たな発見をおりまぜながら構成。
第1章 詩情のみなもと 坂本遼のイーハトヴ
- 教育者の父、農婦の母
- 少年時代 ‟少しく涙もろし”
第2章 神戸・原田の森の青春 関西学院時代
- 文学へのまなざし
- 創作の始まり 「日本詩人」第二新詩人号入選
- 同級生 竹中郁
- 「関西文学」と月曜会
- 関西学院界隈
第3章 「銅鑼(どら)」に導かれて 詩集『たんぽぽ』誕生
- 草野心平 運命の出会い
- 生涯唯一の詩集『たんぽぽ』
- 小説集『百姓の話』
第4章 詩(うた)との別れ 前、後
- 卒業後の進路
- 入隊、そして母の死
第5章 よみがえる詩心 ライフワーク「きりん」
児童詩誌「きりん」
第6章 たんぽぽ忌 詩情は時を越えて
イベント
会場はいずれも講堂(北館3階)
展示解説会
- 日時:令和6年12月15日(日曜日)、令和7年2月9日(日曜日)午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時) 内容は同じ
- 講師:担当学芸員
- 定員:各回50人(事前申込不要、当日先着順 無料)
朗読会「たんぽぽの詩人 坂本遼の詩を味わう」
- 日時:令和7年2月24日(月曜日・振替休日)午後2時から午後3時30分まで(開場は午後1時30分)
- 出演:一谷円(劇団プロデュース・F)
定員 100人(観覧券の半券が必要・当日先着順)
展覧会図録『生誕120年記念 詩人坂本遼』
【寄稿】高橋夏男「おかんのいる風景」
【寄稿】時里二郎「方言に息づく身体ー坂本遼の詩の魅力について」
編集 姫路文学館
発行日 令和6年12月7日
価格 1000円(オールカラー・40ページ)
添付資料
関連情報
姫路文学館公式サイト
- 姫路文学館公式サイト別ウィンドウで開く
企画展「坂本遼展」案内ページ

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