姫路文学館特別展「漫画家生活30周年 こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり」を開催します
- 更新日:
- ID:32612
資料提供日
令和8年(2026年)4月3日(金曜日)
問い合わせ先
担当課 姫路文学館 学芸課
担当者 甲斐
電話番号 079-293-8228
漫画家・こうの史代氏の30年におよぶ画業を、500点を超える漫画原稿や資料で辿る大規模展覧会を開催します。
開催趣旨
こうの史代(1968年生まれ)は、漫画というフィールドで、実に多彩な表現活動をしてきました。
お花屋さんが舞台のコミカルなショートストーリー連載『街角花だより』(1995年)でデビューし、インコとの日常を描く4コマ漫画『ぴっぴら帳(ノート)』(1997年から2004年)で人気を博します。ニワトリと少女のユニークな日々を綴った『こっこさん』(1999年から2001年)も忘れることはできません。〈命あるものと共にある日常〉 を見つめた、これら初期作品の世界観があって、『夕凪の街 桜の国』(2003年、2004年)、『この世界の片隅に』(2006年から2009年)へつながっていくことになります。
もちろん、それは到達点ではありません。こうの史代はさらに先へ進みます。漫画という表現に、誰よりも強い好奇心を持っているからです。
非凡なアイデア満載の『平凡倶楽部』(2006年から2010年)で読者を驚かせたかと思えば、『ぼおるぺん古事記』(2011年から2012年)ではボールペンだけで「古事記」を忠実に漫画化しました。東日本大震災の翌年(2012年)から連載を開始した『日の鳥』は、妻を探す雄鶏の目を借りて、移りゆく時の流れをスケッチしています。
漫符を素材にした画期的な漫画図鑑『ギガタウン 漫符図譜』(2015年から2017年)、「百人一首」と遊んだ華麗なカラー1コマ漫画『百一 hyakuichi』(2018年から2020年)、「般若心経」をコロナ禍と重ね、2色の線が絡み合う最新長編『空色心経』(2023年から2025年)など、新しい漫画の可能性へ向けて、挑戦は続きます。
こうの史代の特徴として、アシスタントを使っていないことが挙げられます。そのため、どの線にも彼女の気持ちがこもっています。たった一人で描いた「一枚の絵」として原画を見ることで、これまで気づかなかった線の魅力、色の力を感じていただけることでしょう。
本展では、10代の時の作品から最新作まで、500枚以上の漫画原画を展示します。そのほかデビュー以前の貴重な資料の数々、膨大な挿絵原画、絵本原画、ブログ「こうのの日々」に登場するスケッチブック、執筆風景を記録した初公開の映像など、こうの史代の画業のすべてがわかる展覧会です。
会場の広さの都合から、前期と後期で、ほとんどの作品を展示替えする予定です(前期後期の展示リストは、姫路文学館ホームページで公開予定です)。見ていただくには、少し面倒をかけてしまいます。でも、この姫路文学館から初めて展示される、今年連載が始まった漫画原画の展示もございます。前期後期、どちらを見てくださっても、充実の内容です!(もちろん、両方見ていただくのもうれしいです!)楽しみに待っていてくださいね。
プロフィール
こうの史代(こうの ふみよ)
1968年広島市生まれ。広島大学理学部中退。放送大学教養学部卒。
1995年、「街角花だより」の連載で漫画家デビュー。インコとの日常を描く4コマ漫画「ぴっぴら帳(ノート)」で人気を博す。ニワトリと少女のユニークな日々を綴ったショートストーリー漫画「こっこさん」、子供の心を見開きページに釘付けにしたカラー漫画「かっぱのねね子」も同時期に連載。夫婦の気ままでコミカルな永遠の一日を捉えた「長い道」、こうの自身より年齢が上の主人公を初めて描いたドタバタ二世帯喜劇「さんさん録」でさらなる新境地を開く。
原爆の被害とその後に続く〈終わっていない〉日々を真摯に紡いだ「夕凪の街 桜の国」を発表し、話題に。同作で第9回手塚治虫文化賞新生賞、第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞、映画化やドラマ化もされた。広島の軍都・呉の戦災を描く「この世界の片隅に」は、戦前から戦後まで、個人の時間を奪う戦争の惨禍のすべてを、日常の低い視点から力強く描いた。本作は第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞、またアニメーション映画(監督片渕須直)がロングラン大ヒットを記録。こうのにとっても集大成的な作品となった。
その後も漫画という表現に対する好奇心は尽きず、非凡な才能炸裂のエッセイ漫画「平凡倶楽部」、ボールペンだけで古事記を忠実に漫画化した「ぼおるぺん古事記」(古事記出版大賞稗田阿礼賞受賞)、東日本大震災の翌年から描き継がれている「日の鳥」、漫符を素材にした画期的な漫画図鑑「ギガタウン 漫符図譜」、百人一首と遊んだ 華麗なるカラー1コマ漫画「百一 hyakuichi」など、ひとつとして似ていない作品を続々と発表。
2025年4月には「ぼおるぺん古事記」以来、12年ぶりとなる長編「空色心経」を刊行。般若心経とコロナ禍の日々を2色の糸で撚り合わせるように重ね、時空を超えた世界と日常を結んでみせた。同年同月刊行の最新刊に「ヒジヤマさん 星の音 森のうた こうの史代短編集」がある。2025年7月号から小説新潮で1ページ漫画「かぐやサン」を、2026年3月からは週刊漫画ゴラクで「日の鳥」に連なる漫画作品「イメル・フウリ」を連載中。ブログ「こうのの日々」では「空色心経」の制作過程やインコTさんとの日常、日々のスケッチなどを公開している。
監修者 福永信(ふくなが しん)
1972年東京都生まれ。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)芸術学部中退。1998年、短編「読み終えて」でリトルモア・第1回ストリートノベル大賞を受賞し小説家デビュー。主な小説集に「アクロバット前夜」、「コップとコッペパンとペン」(表題作でユリイカZ文学賞受賞)、「星座から見た地球」、「一一一一一」、「実在の娘達」などがある。アンソロジー編集に「こんにちは美術」、「小説の家」(第4回鮭児文学賞受賞)、企画編集に「フジモトマサル傑作集」、展覧会企画協力に「カワイオカムラ ムード・ホール」展、「絵本原画ニャー! 猫が歩く絵本の世界」展、「芦屋の時間 大コレクション」展など。「遠距離現在 Universal/Remote」展図録に短編小説を寄稿。2015年、第5回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。
監修者コメント
こうの漫画を読んでいて、ふと気づくのですが、彼女の漫画には、1冊も似た作品がありません。
そしてまた、ふと気づいて驚くのですが、こうのさんの描く漫画は、いつも、ほとんど同じタッチで描かれています。
これが漫画だよな、と思わせる、読者をほっとさせる、あの愛らしいタッチのことです。
4コマ漫画でも、ほのぼのショートストーリーでも、神話ものでも、戦争ものでも、あの絵柄で一貫して描いてあります。戦争ものだから、急にシリアスな絵柄で、とはなりません。
古代や現代、戦争や平和、動物や人間、どんなに世界が違っても、毎日が必ず続いていく、かけがえのない時間が流れている。こうのさんの描く漫画を通じて、読者はそう感じることができます。
こうの史代は、まだ漫画になってないこと、誰も手掛けてないこと、手薄なところを探して漫画にしていく、漫画の世界の冒険家です。
だから読者は、彼女の漫画を読むたびに、こんな世界知らなかった!と、いつも思うのでしょう。
そして、そんな読者に、彼女は、漫画の中から、こう呼びかけているようです。
見慣れたはずの「漫画」という表現が、新鮮な姿に見えてきたでしょ? ほら、まだこんなに描くことがあるよ、君もこっちに来ない?
1人の漫画家として、こうの史代が歩いてきたすべての道のりを、この展覧会ではたどります。過去の作品だけじゃありません。昨年、そして今年になって描き始めた作品の原画もできる限り展示します。現在進行形の、私達の同時代を生きる漫画家の姿をぜひ体感してほしいと思います。
姫路文学館では、会場の広さの都合から、前期と後期で、ほとんどの作品を展示替する予定です。
見ていただくには、少し面倒をかけてしまいます。
でも、この姫路文学館から初めて展示される原画の展示もあります。
前期後期、どちらを見てくださっても、充実の内容です!(もちろん、両方見ていただくのもうれしいです!)。楽しみに待っていてくださいね。
福永信(本展監修者/小説家)
展覧会概要
名称
漫画家生活30周年 こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり
会期
前期:令和8年(2026年)4月18日(土曜日)から5月10日(日曜日)まで
後期:令和8年(2026年)5月13日(水曜日)から6月21日(日曜日)まで
- 5月12日(火曜日)は、展示替のため常設展のみ観覧可。
- 休館日:月曜日、5月7日(木曜日) ただし5月4日(月曜日・祝日)は開館。
- 開館時間:午前10時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
会場
姫路文学館
観覧料
一般 1,100円
- 後期に前期の使用済み観覧券・デジタルチケットを持参の方は2割引
- 18歳未満(18歳の誕生日から最初の3月31日までにある方を含む)の観覧料は無料
- 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方(手帳またはミライロID手帳画面をご提示ください)及び介護者1人は半額。
- 30人以上の団体は2割引
- 常設展示も観覧可
- 前売り券はありません
主催
姫路文学館
監修
福永信
協力
- 呉市立美術館
- コアミックス
- 朝日新聞出版
- 日本文芸社
- 平凡社
企画
青幻舎プロモーション
後援
- 朝日新聞社姫路支局
- 神戸新聞社
- 産経新聞神戸総局
- サンテレビジョン
- 播磨時報社
- 播磨リビング新聞社
- 姫路ケーブルテレビ
- 姫路シティFM21
- 毎日新聞社姫路支局
- 読売新聞姫路支局
- ラジオ関西
展覧会のみどころ
見どころ1 漫画家・こうの史代の過去最大の展覧会
大ヒット作『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』の原画展はこれまで数多く開催されてきましたが、デビューから現在までを網羅した大規模な回顧展は、本展が初めてです。500枚以上の漫画原画を展示、膨大な挿絵原画、絵本原画、作品のコンテやメモ、ブログ「こうのの日々」に登場するスケッチブック、制作風景を記録した初公開の映像など、こうの史代の画業のすべてがわかる展覧会です。
見どころ2 貴重なデビュー前の原画
デビュー前の原稿、また高校生の頃に制作した漫画の原画も展示いたします。すでに「こうの史代」ならではのタッチが、読者を今でもほんわか、楽しい漫画の世界に誘います。
見どころ3 「1枚の絵」としての漫画原画
こうの史代はその初期からアシスタントを起用せず、原稿をすべて一人で描いています。着彩も本人がやっています。また一部を除いて、スクリーントーンをほとんど使用していません。原画で私たちが見ているのは、こうの自身の手によって描かれた線です。「1枚の絵」として、その線の躍動する魅力、新鮮な色彩の力を感じていただけると思います。
見どころ4 「読める」展示
連載作品の場合は1話単位、短編は全ページを基本に原画を展示いたします。こうのが構成したストーリーを分断せず、制作しているその時の「漫画家の気持ち」を体感することができます。各単行本のカバーのカラー原画も必見です。
見どころ5 当館のみの描き下ろし作品
姫路会場オリジナルの「あとがき」を展示スペースの最後に展示いたします。
イベント
こうのさんがライブペインティングをするよ!
各地の展覧会場で描き進めてきた火の鳥を描く大作「イメル・フウリ」の創作ライブを行います。
日時 令和8年4月18日(土曜日) 午後1時ごろから5時ごろまで
(少し早かったり、逆に遅く描き始めたりするかも。休憩もするのでいないときもあります。)
会場 姫路文学館 望景亭 和室(イスはありません)
参加方法 随時見学自由(申込不要、無料)
講演「『ぼおるぺん古事記』で読み解く『古事記』の世界」【姫路文学館友の会協賛事業】
こうの史代が描いた「古事記」の世界を案内します。
日時 令和8年5月9日(土曜日) 午後1時30分から3時(開場は1時)
講師 兼岡理恵(千葉大学大学院人文科学研究院教授)
会場 姫路文学館 講堂(北館3階)
定員 100名(当日受付順・申込不要)
参加費 500円(姫路文学館友の会会員と18歳未満は無料)
『百一』一日会
こうの史代版百人一首1コマ漫画『百一 hyakuichi』の全原画を1日だけ展示する初めての試みです!
日時 令和8年5月9日(土曜日) 午前9時から午後5時
会場 姫路文学館 望景亭
参加方法 随時見学自由(申込不要、無料)
映画「夕凪の街 桜の国」上映会
こうの史代原作の映画「夕凪の街 桜の国」(監督:佐々部清、主演:田中麗奈、麻生久美子 2007年制作、118分)を上映します。
日時 令和8年5月24日(日曜日)
- 午前10時30分から午後0時30分
- 午後1時30分から3時30分
(開場は開始時間の30分前・上映内容は同じ)
会場 姫路文学館 講堂(北館3階)
定員 各回100名(当日受付順・申込不要)
参加方法 観覧券(使用済み半券・デジタルチケット可)が必要。18歳未満は無料。
講演「『空色心経』の舞台「般若心経」のこころに触れる」
日時 令和8年6月13日(土曜日) 午後1時30分から3時(開場は1時)
講師 大樹玄承(書寫山圓教寺 第百四十一世長吏)
会場 姫路文学館 講堂(北館3階)
定員 100名(当日受付順・申込不要)
参加方法 観覧券(使用済み半券・デジタルチケット可)が必要。18歳未満は無料。
こうのさんがおしゃべりするよ!
(何をおしゃべりするかはお楽しみに!)
日時 令和8年6月14日(日曜日) 午後1時30分から3時(開場は1時)
出演者 こうの史代、福永信(本展監修者/小説家)
会場 姫路文学館講堂(北館3階)
定員 100名(当日受付順・申込不要)
参加方法 観覧券(使用済み半券・デジタルチケット可)が必要。18歳未満は無料。
コラボメニュー
『ぼおるぺん古事記』をイメージしたパンケーキとウインナーコーヒーのセット。
天照大神(あまてらすおおみかみ)、大国主神(おおくにぬしのかみ)、天宇受売命(あめのうずめのみこと)のいずれかのイラスト付きピックとともにお楽しみください。

「漫画家生活30周年 こうの史代展」フライヤー
こうの史代展フライヤー オモテ
こうの史代展フライヤー ウラ

くらし・手続き
安全・安心
観光・文化・スポーツ
産業・経済・ビジネス
市政情報








