補陀落寺観音堂
梁間8メートル、桁行7.05メートルの瓦葺寄棟造。本来は茅葺であったのを昭和12年に瓦葺に改めた。内陣中央に性空上人の作と伝える十一面観音像を安置し、脇立に毘沙門天と不動尊をまつる。いずれも木仏立像である。向拝の上部にある彫刻は、桃山時代のものである。文書(莇野区長保管)によると、第63代冷泉天皇の時、性空上人の開基で、上人自ら観音像を作って本堂に安置したとある。天禄2年(971)に建物が完成して寺号を補陀落寺と称したという。文明4年(1472)、火災にかかり建物は焼失したが、観音菩薩像、阿弥陀如来像は焼失をまぬがれたという。享保2年(1718)、住職快翁が中興し、現在に至っている。本堂前左に寛保元年(1741)に建てた一石一字の経塚があり、その上に大乗妙典塔が建立されている。
姫路市夢前町荕野字水生山2022
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