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「姫路文学館紀要」28号を発刊

  • 更新日:
  • ID:30557

資料提供日

令和7年4月17日(木曜日)

問い合わせ先

担当課 姫路文学館学芸課
担当者 杉田
電話番号 079-293-8228

姫路文学館では「姫路文学館紀要 第28号」を発行しました。内容の紹介と購入方法についてお知らせします。28号では、例年の第26回司馬遼太郎メモリアル・デーの記録として、作家の門井慶喜氏の講演「司馬遼太郎と菊池寛」を収録。その他、学芸員の34年にわたる文学館勤務による「文学館とは何か」についての思索「文学館談義」を掲載しています。

概要

書籍名

姫路文学館紀要 第28号

編集・発行

姫路文学館

仕様

A5判 本文110ページ

価格

800円

部数

300部(限定)
部数が限定されますので、早めにお求めください。

販売場所

姫路文学館

発行日

令和7年3月31日

28号掲載内容

第26回司馬遼太郎メモリアル・デーの記録

令和6年8月7日、姫路文学館・講堂で開催した第26回司馬遼太郎メモリアル・デーの全内容の記録。

  • 講演「司馬遼太郎と菊池寛」 門井慶喜(作家)
  • 挨拶 上村洋行(司馬遼太郎記念館館長)

講演「司馬遼太郎と菊池寛」の要旨

作家としての資質、人間としての資質において司馬遼太郎と菊池寛の二人は、似通ったところがある。

菊池は「文藝春秋」を創刊し、文藝春秋社の社長となったが、一人の作家として生涯作品を書き続け、その人気は高く、それは戦後の司馬遼太郎のようだった。菊池の書く小説は、文壇からテーマ小説といわれた。現在では小説にテーマがあるのは当たり前だが、当時はそれは悪口だった。テーマ小説は、人の心理のあやふやさを描いていく。菊池のしたことを戦後的に洗練させたのが、司馬の文学だと思う。司馬の小説をテーマ小説という人はいないが、系譜として菊池の執筆していたテーマ小説、つまり人間の俗な部分、我々と同じ人間が歴史の中にいるという小説を書いた。その点で、まさに司馬は菊池の一種文学的後継者といえるだろう。

また、二人とも新聞記者の経験者でもある。「文藝春秋」が同人誌から時事をも扱う総合雑誌になることができたのは、菊池が時事新報の社会部記者だったことと無関係ではない。時事は瞬間を、文芸は永遠をめざすが、司馬においては、扱う事件は古びても司馬の発言は古くならない。

瞬間をめざす時事問題、永遠をめざす文学。この両者を合わせて打ち出すことができたのは、戦前の菊池寛であり、戦後の司馬遼太郎である。

門井慶喜(かどい よしのぶ)

作家。昭和46年(1971)群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。平成15年(2003)「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。平成28年(2016)『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』(KADOKAWA)で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、平成30年(2018)『銀河鉄道の父』(講談社 昨年、役所広司主演で映画化)で直木賞受賞。中世から近現代史まで幅広いテーマを扱い、推理小説やノンフィクション作品も手掛ける。近著に、『東京、はじまる』『文豪、社長になる』(文藝春秋)、『地中の星』(新潮社)、『天災ものがたり』(講談社)、『ゆうびんの父』(幻冬舎)など。

「文学館談義」 玉田克宏(姫路文学館学芸員)

著者が三十四年におよぶ文学館での勤務を終えるに際して、文学館とは何か―その本質的なもの―について思索をめぐらした。

「はじめに」では文学館がもつ二面性、つまり文学資料を保存するための文書館という面と文学者を顕彰する記念館という面のあいだでときに相反するところがあることを指摘する。「一 文学作品の周辺領域」は、文学館の対象事象の広がりを、夏目漱石の「人物」を報告する和辻哲郎のエッセイにそってたどる。「二 文学作品の本物」では、芸術作品における真正性とは何かを解明するなかで、とくに手稿が文学作品に対してもつ意義を明らかにしようとする。「三 文学者の神殿」は、文学者たちを記憶する場所でもある文学館が、人を神として祀ってきた神殿や神社などの系譜にあることを論じる。

関連情報

お問い合わせ

姫路市 観光経済局 観光コンベンション室 姫路文学館

住所: 〒670-0021 姫路市山野井町84番地別ウィンドウで開く

電話番号: 079-293-8228

ファクス番号: 079-298-2533

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