ガス系消火設備に係る安全対策
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ガス系消火設備を設置している事業所の皆さまへ(安全対策徹底のお願い)
令和2年12月22日、愛知県名古屋市内の機械式駐車場において、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備が誤操作により放出され、1人が亡くなられ、保守作業中の作業員や建物関係者を含む複数人が負傷する事故が発生しました。
今回作動した消火設備は、閉鎖された空間を二酸化炭素で満たし、酸素濃度を下げることで火災を消火する設備です。
ガス系消火設備が設置された建物内で保守作業や改修作業を行う場合は、今回と同種の事故の発生を防ぐため、建物関係者と作業員の双方が作業内容や消火設備に関する情報を十分共有するようにしてください。

不活性ガス消火設備(二酸化炭素)を手動起動すると〈一般的な例〉
手動起動装置(操作箱)の扉を開けると、
- 防護区画に「退避警報」が音声で流れます。(例:「火事です。火事です。消火剤を放出します。危険ですので退避してください。」)
この操作のみで、ガスは放出されません。 - 起動ボタンを押すと、放出遅延時間(20秒以上)経過後に、消火ガス(二酸化炭素)が放出されます。
誤って起動ボタンを押した場合でも、遅延時間内であれば、手動起動装置の中にある「非常停止ボタン」を押すことで、消火ガスの放出を停止できます。
設置されている設備によっては、上記と異なる場合があります。設置されている設備について不明な点がある場合は、点検業者等に確認しておいてください。

建物の関係者(従業員・警備員等)の皆さまへ
- ガス系消火設備の防護区画内で保守作業や改修作業をする場合は、その作業員の方と作業開始前に次の情報を互いに共有してください。
- 作業の内容(概要・場所等)
- 消火設備の設置状況・操作方法
- 災害発生時の対応・情報伝達方法
- 火災の場合以外には、消火ガス放出用の手動起動装置に触れないでください。
- 誤って、手動起動装置の扉を開けてしまった場合は、慌てずにその扉を閉めてください。
扉を開けると退避警報が流れますが、この操作のみで消火ガスが放出されることはありません。扉を閉めると警報は停止し、元の状態に戻ります。〈一般的な例〉 - 上記以外で退避警報が流れた場合は、ただちに防護区画の外へ退避してください。
- 退避警報が流れた場合に消火ガスが放出される防護区画やその周辺に施設利用者がいる場合は、ただちに退避するよう促すとともに、防護区画に近寄らないように周知してください。
- ガス系消火設備に何らかの異常を確認した場合には、点検業者などに速やかに連絡してください。

施設の保守管理作業に従事する工事事業者の皆さまへ
- 駐車場、通信機器室、ボイラー室、電気室等には、ガス系消火設備が設置されている場合があります。必ず事前に建物関係者に確認して、消防用設備の設置状況や注意事項を確認してください。
- 上記「建物の関係者(従業員・警備員等)の皆さまへ」の記載事項に留意してください。
- 作業開始前には、ガス系消火設備のボンベ庫内にある閉止弁を「閉」にし、手動起動装置の起動ボタンが押されても消火ガスが放出されないようにします。作業終了後には、閉止弁を「開」に戻してください。(建物関係者と工事事業者の双方で確認してください。)
- 消防用設備等の操作方法がわからない場合は、消防設備士等に操作を依頼してください。

消防用設備等の点検・整備事業者の皆さまへ
- 工事を行う場合は、その旨を建物関係者、利用者に必ず周知してください。
- ガス系消火設備の機能、取扱方法、放出時の対応要領等について、消防用設備等点検の機会等を活用し、施設関係者に周知してください。