ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

ホーム

ホーム

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

  • 更新日:
  • ID:26342

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは

「A群溶血性レンサ球菌」という、人の鼻や皮膚にいる常在菌に感染することで引き起こされる上気道の感染症です。

レンサ球菌は、侵入部位や組織によっていろいろな症状を引き起こします。よく見られる疾患としては、急性咽頭炎、膿痂疹(のうかしん)、蜂窩織炎(ほうかしきえん)があります。これら以外にもさまざまな疾患を引き起こし、場合によっては重症感染症(劇症型溶血性レンサ球菌感染症)につながる可能性があるため注意が必要です。

いずれの年齢でも感染する可能性はありますが、学童期の小児が最も多く、3歳以下や成人では少なくなっています。

流行時期

1年を通して感染する可能性がありますが、特に冬季および春から初夏にかけての年2回流行のピークがあります。

潜伏期間・感染期間

潜伏期間は、約2日から5日です。潜伏期間の感染性は明らかになっていませんが、症状の出始めに感染性が最も強く、その後徐々に減弱します。

感染経路

主な感染経路は、感染している人が咳やくしゃみをした際に飛び散るしぶきを吸い込む「飛沫感染」や、菌に触れた手を介して体内に侵入する「接触感染」です。患者との接触を介して感染するため、人との接触の機会が増加するときに拡がりやすく、家庭や学校などの集団での感染も多くなっています。

症状

主な症状として、突然の発熱と全身倦怠感、咽頭痛によって発症し、しばしば嘔吐を伴います。舌が赤く腫れぶつぶつが広がる苺舌と言われる症状が見られることがあります。

猩紅熱(しょうこうねつ)という特殊な病型では、発熱後に全身にかゆみを伴う赤い発疹が出現し1週間程で治まります。また、苺舌も見られることがあります。

合併症として、肺炎や髄膜炎、リウマチ熱、急性糸球体腎炎を引き起こすこともあります。

治療

A群溶血性レンサ球菌に効果的な抗菌薬で治療します。抗菌薬を飲み始めると数日で症状が軽くなりますが、体内から完全に消えたわけではなく、再発することがあります。合併症を予防するためにも、医師に指示された期間を守って抗菌薬を飲むことが重要です。

予防方法

A群溶血性レンサ球菌に有効なワクチンはありません。

患者との接触により感染しますので、接触を避けることが重要です。流行しているときは人混みを避けたり、体調が悪いときは外出を控えましょう。

飛沫感染予防には、マスクの着用や咳エチケット、うがいがあります。接触感染予防には、手洗いや手指消毒、物品のアルコール消毒があります。タオルを介して感染することがありますので、タオルの共用は避けましょう。

関連情報